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■2001年06月21日(木) アスファルト 白のTシャツ

蕁麻疹が酷いので会社を休んだ。

病院から帰る途中、三車線ある大通りのど真ん中にカラスの雛がいた。
まだ世界の仕組みなんか全く判っていない、飛べない雛。
大きなトラックが、速度をゆるめず突進する。
恐ろしいことに運転手が全く前を見ていない。
もしあそこにいたのがカラスでなくて私であっても、彼は安穏とアクセルを踏みつづけていただろう。

若すぎる血液、儚げな鳴き声。

まだ息がある。
反射的に道路に飛び出し、周囲の車を止めさせ、雛を抱え上げる。
衝突で喉をやられたのか、かぼそい声をあげながら暴れる。
余りの愚かしさに苛立ちながら上空を見上げると、親ガラスとおぼしき影が見えた。
激しくこちらを威嚇している様子だ。

今ここでこの子をお前らに返したところで、どうなる?
私は人間のやり方でこの子を救う。悪いけど。

急いで動物病院へ運びこみ、応急処置を施してもらう。
自力で飛べるようになるまでは、病院で責任を持って育ててくれるらしい。
先生ありがとう。

帰る前に先ほどの道路へ戻ると、周辺を大ガラスが数羽うろついていた。
近づくと、恨めしそうな声をあげて去って行く。

私は間違っていない。

 

牙と一緒に蕁麻疹を治す方向で固く決意。