
道標|≪過去を見つめて|あさっての方向へ≫
帰国子女と化した甥の言語は英語と日本語の半々だ。 まだ文を語れないので、単語を発声するだけなのだが 「MILK!」「DOG!」と流暢な発音に思わず感心する。 姉も義兄も(二人とも英語は話せる)家庭では 日本語で会話しているが、一歩家の外に出れば英語圏だったわけで。 否定の言葉、「ノオオオオオゥ」は完全にアメリカンのそれ。
モネの名前も、近所の子供が言う発音よりも 「モゥ・ネ――ィ」とやたらアメリカナイズされてるから困る。 朝、散歩に出る前にモネと戯れていると、窓の中から 幼い声でモネの名前を連呼している。かわいい。
出勤前にストッキングをはいていると、それまで 「ガリュガリュゴウ」「とてちてたー」(意味不明)などと 鼻歌を歌っていた甥の目が俄然光り始めた。 おもむろに私のふとももからふくらはぎにかけて 手のひらを滑らせると、にやにやと撫でくりまわすではないか。 飲み屋のよっぱらいとさして変わらない破廉恥加減に驚いた私に 姉が「足が好きなのよ、足が」と言うが、 足だろうがストッキングだろうがお姉さんフェチ嗜好には ちょっとついていけないYO! 「触んなコノー」と言って制服に着替え始めると、 少し残念そうに「ナイナー」と言いながらモネの所まで 走っていくのだった…。 叔母は不安です。
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