花の中を、歩く。一人ぼっちで、ゆっくりと。ただ前を見据えて、一歩、一歩。辿り着く先を、僕は知っている。白んだ世界。真向かいから歩いてくるきみと、出会う。手を合わせ、指を絡め、そっと眸を閉じる。静かな、とても静かな、僕たちだけの空間。寄り添って眠る。音の無い世界。永遠に、僕たちをこのまま。このまま――…