扉を開けると、彼はフローリングに寝転がっていた。
「寝てるの?」
驚かさないよう極力優しい声で問い掛けると、その声はすうと室内に吸い込まれる。
窓辺から差し込む西日が肌を朱く染め、彼はすこぶる美しく見えた。
そっと近付き、彼の口元に手をかざす。
規則正しい呼吸を確認し、何故だかそんな当たり前のことに安堵する。
僕はソファの上に置いてあったカメラを手に取り、彼の姿をレンズに収めた。
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『それっぽい言葉で12の御題#1(
インスタントカフェさま)』御題3『天使の標本』消化。うあー、いよいよSSじみてきたしいよいよ変態じみてきた…!いや、『天使の標本』とかどう解釈して良いのやら…(人の所為かよ)。惹かれた言葉では有ったのですが、どうも御題借りてくる前から「3がヤバイな、書けないな絶対」と薄々心配しておりました。ハハ。(笑ってごまかす)
あまりに可哀相な出来なので初めて解説。
西日に照らされて眠る彼があまりに『この世の物ならざる物』に思えて心配になりました。でもそのあまりの美しさに、ついうっかり写真を撮ってしまいました。その作品のタイトルが「天使の標本」。…………みたいな感じで。どうでしょう。(あーもうホント駄目だこの人…)
ゴメンナサイ。平謝り。