ゴンッ
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鈍い音が、耳にこびり付いた。 広がる赤が、目に痛くて。 泣き叫ぶ僕に彼女は微笑みながら、つい先程交わした会話の続きをした。
そんなことどうでもいいから――
彼女がつい先程まで居たエスカレーターは相変わらず、上へ上へと循環している。
赤いサイレンが去っていくのを、僕はただ見送った。 そして、すぐ我に返り、後を追った。
しかし彼女の搬送された先は教えてもらえなかった。
それは暗に死をにおわせる内容だった。
馬鹿なこと言うなと思う反発心と、失ってしまったのかと云う喪失感。 酷く取り乱した。
会わせろと噛み付くように訴えて
――彼女が居ないと生きていけない、そのくらい大切な人なんだ
泣き崩れた。
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目が覚めた。
隣には、平和な顔をして眠る彼女が居た。 眠っている彼女をぎゅうぎゅうと抱き締めて、堪えられず声を出して泣いた。
酷くリアルに感じた胸の痛みと混乱と、今在る腕の中のぬくもりの安堵感。 入り混じって、わけが解らなくなって。
涙が止まらなかった。
目を覚ました彼女は笑いながら、僕が泣き止むまで抱き締め返してくれていた。
頭が痛くなる程泣いたのは、いつか映画を見た時以来だ。
+++ 本当に見た夢シリーズ。第二回。 さらっと読むに耐えられるように書きましたが、実際見た夢はすんごいえげつなかったです。頭部取れてんの。死んでるに決まってるじゃーん!てくらいなのに、どうして早く病院連れて行ってくれないの!て物凄い取り乱しようでした。運んだ車も実は救急車じゃなかったりマ○ド○ルドが出てきたりうちの会社の人が出てきたりと、もうてんやわんやの夢でした。 てんやわんや過ぎて、上手く詩にまとめられなかったよ…。(言い訳)
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