「生きていくのに大切なこと」こころの日記
DiaryINDEXpastwill


2004年09月08日(水) 本質

 ある女性はいつも食事を拒否されます。私たちはその方の食事を介助しますが、口が小さくて食事を運び辛い。食事の介助を待っている方がたくさん居る中で、一人の食事が進まない事に焦りを感じるのが現状です。

今日もその方は、口をおちょぼ口にさせて食事を口に入れさせない。食事を介助していた若い介護さんが言いました。
「むかつく。Mamoさん、この人を殴っても良い?」

私は「良いよ」と言いました。彼女はその場で女性の後ろ頭を軽く殴り、殴られた女性は一瞬空中を見つめ、それから黙ってうつむきました。

私はその一瞬の光景に驚き、いたたまれない気持ちになりました。彼女は休み時間に見せる笑顔と同じ顔で私に尋ね、尋ねられた私は、彼女が本当に人を殴るとは思いもしなかったのです。理由は何にせよ、私が彼女に “人を殴っても良い” と許可を与えてしまったのです。

あの時何と答えれば良かったのかな?

一晩かけて見えてきたのは、人手不足を見ようとせずに無理な働きを要求する施設の流れに沿い、社会の本質が見えなくなっていた自分。そしてその思考の中で誤った答えを提示してしまった自分・・。

今日私は彼女に電話をかけ、自分が間違いを伝えた事を語り謝罪しました。彼女は「殴ったのは私だし、私が殴らなければ良かったことなので、私の責任です。すみません」と語りました。私は私が伝えた事の責任を取り、彼女も自分の行動の責任を取ったのです。

 では、無理な労働を強いている施設が自分たちの行動の責任を取るのは何時なのだろうと、小さな安堵感を覚えた私の頭をよぎりましたが、私が自分の行動に責任を取っていくことが大切なのだと感じました。16:24


Mamo |MAILHomePage

My追加