日英双語育児日記
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I先生へ
今日は、保育園の運動会を見に来てくださってありがとうございました。
「Tちゃんのおかあさんですね、Iです」とおっしゃるまで、お名前を思い出せなくてすみません。
Tが最初に保育園ゼロ歳児クラスに入った年の、三人の担任の先生のなかで、いつも、少し後ろに下がって控えめにしていらっしゃる先生を、私は、なぜかまだ新任の先生なのだと思っていて、あるとき、高校生のお子さんがいらっしゃるのだとお聞きしてびっくりしたのを覚えています。それから、先生が歌がとても上手だったことも。
先生にTを担任していただいた一年は、私にとっては、初めての子どもの育休を終えて、職場に復帰した年でした。四月に復帰したあと、十一月には二回目の産休・育休に入り、冬に出産。Sが生まれたばかりのときにあったクリスマス発表会では、Tが不安定になっていて、舞台でも真っ赤になって泣いていたけれど、その後、二月の発表会では、随分落ち着いてきて、ずっと生き生きと楽しそうな姿を見せてくれた、そんな年でした。
保育園は一年契約の臨時職員なので、とお聞きしたのは、先生が年度末に、福祉関係の正職員のお仕事へ移られることになったときのことでした。そのあと、ずっとお会いする機会もありませんでしたが、今日、あのときのゼロ歳児クラスにいた子どもたちが卒園する年に、わざわざ、保育園の運動会を見に来てくださったこと、本当にありがとうございました。胸が熱くなりました。
ゼロ歳児クラスでは、九人だけだった子どもたちが、今では、もう四十人近くになっています。 お父さんに肩車をしてもらった騎馬戦で、帽子をとろうと向かっていき、一回戦では正面から向かっていって引き分けたものの、二回戦で、後ろから奇襲をかけて成功し、Tが嬉しそうに笑った、あの相手のAくんは、年少組から入ってきた、仲のいいお友達です。
フィナーレの年長組三色リレーで、少し差のある二位でバトンを受け取ったTが、コースを一周走るあいだに追いつき、同着でバトンを渡したBくんも、年少組からのお友達で、仲良しです。アンカーとして、ぐんぐん走る姿に、私も「Bくん、がんばれ!Bくん!」と思わず声を上げてしまいました。そして、感動の逆転一位でゴールイン。
それにしても、今日は、あんなに元気いっぱい、保育園最後の運動会を満喫していたTですが、二歳児、三歳児のころは、親の姿を見つけると顔を真っ赤にして、恥ずかしがって動きをやめて立ち尽くしていました。
今年は、開会式の前の年長組の鼓笛隊パレードで、大太鼓をやる、というので、大丈夫かしらと少し心配していたのです。最初入場してきたときは、恥ずかしがって下を向いていたけれど、段々顔を上げられるようになり、最後まできちんと、どん、どん、と太鼓をたたくことができました。
実は三日前の夜に、それまで風邪気味だったのが、急に熱が上がり、咳もひどくなって、慌てて夜間診療している遠方の病院に連れて行ったのでした。次の日は、保育園を休みなさいと言うのに、「運動会の最後の総合練習があるから、絶対に行く。大太鼓が先頭だから、絶対に休めない」と言い張るので、熱も咳も一応は収まっていたので、保育園に連れて行き、午前中、鼓笛隊の練習が終わったころに、おばあちゃんに迎えに行ってもらいました。その日は午後に、三時間も昼寝をしたそうで、ゆっくり休んだおかげで、無事、運動会本番を迎えることができました。
それにしても、夜間診療、休日診療の病院に駆け込んで、翌日の子守を実家に頼んで、というのは、Tが二、三歳のころまでは、かなり日常的に起こることだったのに、この一、二年、めっきりなくなっていたことを、改めて思い出しました。
「りっぱな走りでしたね」「これからが楽しみですね」と言ってくださった先生と、もっといろいろお話できればよかったのですがー。
とにかく髪の毛を振り乱して、身なりにもかまわずばたばたと暮らしていたあのころ、「おかあさんも、せっかくだから、もうちょっとかわいくしたらいいのに」と笑っておっしゃったこと、実は、今でも、よく覚えています。あのときの私にそんなことを言ってくれる人はいなかったので。 (久しぶりにお会いした今日、一応きちんと化粧もして、こぎれいなポロシャツを着ていたことに、内心、ほっとしました。いつもは、よれよれのTシャツでノーメークで見に来るのですが、今年は、体育委員があたっていて、他のお母さんたちと一緒に競技の準備・片付け補佐をすることになっていたので、珍しく、ちょっと気を遣ったのでした。)
ゼロ歳児だった子どもたちは、みんな一人で大きくなったような顔をして、走り回っていて、先生のことを覚えていないでしょう?笑っちゃいますよね。 でも、今日は、来てくださって、本当にありがとうございました。 どうか、これからも、お元気で。 また、お会いできる日がありますように。そのときに、改めて、いろいろお話できますように。
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