日英双語育児日記
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2007年08月24日(金) |
小学校1年生と3年生 |
(一)
夏に二週間、イギリスの夫実家に子どもたちを連れて行く。
昨年から、そのときを一つの目標に、英語の読み書きを子どもたちに教えている。夫両親から特に何か言われているわけではないが、やはり気になるだろうし、私も気になるので。
去年は、そのために五月ごろから、Tの読み方の練習を始めた、八月に、ようやくごく簡単な本(Ladybird level 1)が読めるようになった。
今年は、八月を目前に、Tは文字が一応書けるように練習を始めた。Sは、アルファベットが覚えられるように、書く練習を始めた(書くのがすきな子なので)
自分なりに、万全とはいわないまでも、それなりにしっかりやっているつもりだった。書くのはともかく、Tは、読むほうは、かなり読めるようになった、と思うので。
(ニ)
でも、実際に、イギリスに連れて行ってみると、これではまだまだだなあ、と強く思わされた。
何よりも、Tの読む能力に夫母の評価が、低かった。いや、低いというよりも、そもそも「教育的配慮から褒める」ということをしない(というより、できない)ひとなので、本当に自分が感心したときしか、ほめない。そして、Tの読み方能力は、それには値しないらしかった。書き方は、読み方より遅れているのは、私も自覚があるので、論外というかんじか。
ある日など、私が居間でTに本を読んでやっているのが、台所にいた夫母に聞こえたらしく、居間にやってきて「あら、Tが読んでいるのかと思ったら、ちがったのね」と、夫父に言っていた。
案外上手に読めるものだ、と思って出てきてみたら違ったということだったのだろう。それを耳にして私は、「ああ、そうか、夫母は、こういうレベルの、安定した読み方(途中でつまらない一定の速さ、大きな声、途中でつま明確な発音、落ち着いた読み方)を、Tくらいの子どもの読み方に、期待しているのだな」と思った。教室で、教科書朗読を当てられたときに、上手に読める子の、読み方。
(三)
夫母の期待は、イギリスの教育制度に照らしてみれば、おそらく特に無茶なものでもない。
イギリスの公立小学校primary schoolは、5歳から7歳までのinfant schoolと、8歳から11歳までのjunior schoolに分かれている。ただ、このときの年齢は、「その学年の間に○歳になる人」を、指しているので、日本式の数え方でいうと、小学校入学は、4歳になる。
そして、その制度に従うと、イギリスに住んでいれば、この9月からTは小学校三年生、Sは小学校一年生となる。
実際、今回イギリスの書店で、小学校一年生から三年生までの、英語の練習問題集、予習復習ドリルを手に取ってみた。そのレベルの英語力を、日本にいながらにしてTとSに付けていくことの困難に、ちょっとくらくらした。
(四)
とはいうものの、TもSも日本で暮らしており、日常的インプットの95%は日本語なのだから(英語のアウトプットは、父に対してのみ。インプットは、父からとテレビを少しくらい)、イギリスの小学生と同じ英語力が身につくはずはない。そして、おそらくその必要もない。
というのも、この年齢の子どもにとっての読み書き能力習得は、言語知識であると同時に、論理的思考、知的情報処理、コミュニケーション能力の習得でもある。
つまり、BICS(Basic Interpersonal Communicative Skills、生活言語) とCALP(Cognitive/Academic Language Proficiency、学習言語)でいうところのCALP。
そして、実際、日本の小学校で教育を受ければ、日本語で身に付けていくことになるわけだ。
(五)
ともあれ、TとSの英語読み書き学習に、もう少し時間と気持ちを傾けてやろう、と思ったことであった。一日三十分でいいので、できるだけ毎日継続して。
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