留学先での独り言

2012年08月15日(水) 米国大学院在籍時のストレス

大学での職探しに使うサイトでChronicle of Higher Education
というのがあるのですが、以下のような記事が掲載されてました。
でもさっきまで全て読めたのに、今は購読しないと読めなくなって
る。こういう記事は公開しておいてほしいのに。

Colleges Struggle to Respond to Graduate Students in Distress
(大学は疲労困憊にある大学院生への応対に苦戦している)

アメリカにはNational Graduate Student Crisis Lineという
電話相談機関があり、今年の1月から6月の間に750件もの
相談があったらしい。この機関はハーバード大学の生徒
が実験でのプレッシャーを苦に自殺したことを憂慮して
設立された。

アメリカでの大学院生は成績の維持や授業を教える義務、
結果を求められる実験に、いつ終わるかわからない博士論文
にストレスを感じているとのこと。確かにデータを出すこと、
博士論文をどうまとめるかにはストレスを感じたな。

大学院生は学部生よりカウンセリングを受ける機会にない、
留学生は文化的違いにより、さらに受ける機会がない、と
書いてある。カウンセラーもわかってないんだろうが、特に
アジアの学生は言葉の問題もあって相談もしない、という
指摘がここでは抜けている。またカウンセリングを受けている
生徒が一方的に改善を求められ、指導する側を是正する
中立的な機関が大学にないのも問題だと思う。一般に会社
以上に大学のラボが閉鎖的なのは間違いない。

日本でも米国でも大学院生をやった自分の経験を言うと、
根本的な違いは授業料を出しているのが誰か、というの
に起因する。日本はあくまで生徒が支払うので、大学側
は期限内に卒業させる、という暗黙の了解がある。それ
に対し、米国では最終的に上司が出すので、素行がよく
ない、結果が出ないとなると、ただ終わらないばかりか
クビを宣告されることも多々ある。一方で使える生徒は
ひどいといいように使われて結果卒業が延びる、ということ
もありえる。おととい書いた記事のように基本的に休みは
なく、上司の裁量で何でもありなのが現実だ。

たかが学位なんだから辞めればいいんだけど、個々に複
雑な事情がありすぐに辞める、とはいかないんだよね。
最近「ブラック企業」という言葉を覚えたけど、アメリカの
多くのPh.D.課程の大学院生の生活もそれに近いと思うよ。
薄給だし、休みも睡眠も少ないし、アパート戻っても仕事して
るし、プレッシャーも相当なもんだし。ポスドクはもっとかなぁ。

何だかんだ言って自分は学位取れて本当に良かった。
努力もしたけどラッキーだったなとも思える。それだけは本当。


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