2003年09月11日(木) |
実習28日目(内科病棟12日目)〜研修医の先生へ。 |
受け持ち患者さんのTAE(肝動脈塞栓術)を見学させてもらいました。 詳しい手技なんかについては、お調べいただきたいんですけれども 簡単に説明すると、足の付け根からカテーテル(細い管)を動脈に挿入して そのまま肝臓の血管に入れ、そこから血管を詰まらせる物質と抗癌剤を注入し 肝細胞癌の息の根を止めてしまう(血管がないと腫瘍は育てないので)というもの。 つまりは、肝細胞癌患者の治療として行なわれるものな訳です。 詰まらせる箇所を間違えると正常な細胞も死んでしまうため 血管造影をしながら、癌につながっている血管のみを塞栓させるのです。
そんな治療を実施するのは、研修医の先生2人。 患者さんが事前処置で使った薬で吐き気が強く、実際に吐いてもいたので 本当は絶対ダメであろう、清潔区域から30cmも離れていない場所で 患者さんの様子を観察しながら見学させてもらうことになったのでした(^▽^;) (機械出しの看護師さんが『そこにいていいよ』言うてたけど、ドキドキした)
なんせ動脈を刺すのと、正確な場所を定めないとリスクが高いってことで TAE実施中は仰向けで、首から下は清潔区域として滅菌布が掛けられてるから 手も足も固定されちゃって、全然動かせないのですよ┐('〜`;)┌ ただでさえ腰痛のひどい患者さんなので、かなりの苦痛だったかと。 血管造影系は、ドクターの手技がいかなるものかで時間が決まるんですって。 まぁ、上手な人なら早く・下手な人なら遅いってことでしょう。 結果から言うと、2時間予定が倍近くかかったんですけどね(; ̄ー ̄A
『もう嫌〜』『腰つらい〜』『痛い〜』『助けて〜』『早くして〜』 そんな言葉を患者さんから何回聞いたかわからないですねぇ。 実施に精一杯の研修医からは、患者さんに励ましの声がかかることもなく。 そしてようやく塞栓が終わったと思ったら、今度は止血に失敗したとのことで すぐ目の前で動脈血が吹き出すのを目撃してしまいましたとさ。 (患者さんの胸の上には造影の機械があるので、患者さんからは見えないけど)
動脈を穿刺するので、カテーテル抜去後は15分の圧迫止血とする。 ↑TAEについての文献には必ず書かれていました。 ところが、その圧迫止血方法を失敗されてしまった患者さんは 足の付け根の止血が確認されるまで大人2人(研修医)に全体重をかけられること30分。 『痛い痛い痛い〜〜〜〜〜〜!!!!』の悲鳴がつらかったです(>_<)
ようやく止血が確認された後、研修医(♀)が指導していた研修医(♂)に 『申し訳ありませんでした』と何回も頭を下げていたんだけれど 謝る相手が違いませんかね? 患者さんに対しての謝罪の言葉も説明もないって、変じゃないですかね? その後、緊急エコー(血管外への出血疑いがあったので)を受けることになって 患者さんは『もう終わりだったんじゃないの?』って不安がってましたよ?
完璧な人間なんていないけれども、少なくともあの場では命に関わること。 起きてしまったことを元に戻す訳にはいかないし、動転してたかもしれないけれど 一番の被害者となってしまった患者さんに掛ける言葉はないですか? その場に居合わせた看護学生だから…という訳ではなく、 一人間として、あなたの人間性を疑います。
家に帰ってからも、そんなことをずっと考えてました。 実際のところってこんなもん?だとしたら、本当にひどいわね。
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