電車の向かいのおっさんが東野圭吾の「容疑者Xの献身」@ハードカバーを読んでいた。 一見、むさくるしいおっさんなのだが、ミスマッチ? この度、この作品が直木賞を受賞した。 デビューから東野のファンであるおらっち。 おめでとう!である。 何度か候補にあがっていたが、その度に落選。 推理小説が直木賞を取るのは異例で、難しいことである。
さて、めったにハードカバーを読まないおらっち。 通常は新書或いは文庫本で読む。 誕プレということでこの本を頂いて既に読了している。 なので、少しこの本の読後感想でも記しておこう。
直木賞に選ばれるためには、推理小説としての完成度がしっかりしていることが必須であろうが、人物もしっかり描かれていないと選ばれないだろう。 しかし、最近の東野作品は、トリックよりも人物を描くことが上手くなっている。 映画化された「秘密」以来、映像化されまくりの人気作家となっている。
おらっちが読む邦物推理小説として代表的なものは東野の他、森博嗣作品がある。 どちらにも共通することは、作家が理系であるということ。 数式を解くように推理をしていくことに通じるものがあるのだろうか? 今回の「容疑者Xの献身」は、森作品?と思うような理系要素が入っていた。 そして見事なトリックであった。
東野作品は、毎回うならされる伏線の上手さに感心させられる。 それが東野を好きになった理由でもあるが・・・ 今回も東野の本だと意識して読まなかったら、何度も前を読み返し、伏線に感心しただろう。 しかし、おらっちが構えて読んでいるため、散りばめられている伏線に対する違和感で、これはナニかある!と気がついた。 だから、案の定♪あれは伏線だったんだという満足感があったりして(^^ もっとも、伏線は判っても、最後の結末や人間身に関する描写は感動モノである。 取りかたによっては純愛小説としても!?という感じ。
2時間程度で一気に読了した。 直木賞を受賞するには、やや軽いかな?という重量感である。 寧ろドラマ化されている「白夜行」のほうがどっしりしているのでは?と思うくらい<勿論、直木賞候補に挙がっていた。 ただし、完成度が高く、トリックや伏線も秀逸なので、是非手に取って読んでもらいたい1冊である。 2005年度の「このミステリーがすごい!」(宝島社)と「本格ミステリ・ベスト10」(原書房)、週刊文春掲載の「週刊文春ミステリーベスト10」3つのランキングすべてで1位となった「東野圭吾」氏の最新作。 「3冠」を達成したのは史上初の快挙だそうだ。
とはいえ、庶民にはハードカバーを手にするのはなかなか・・・という人も居るだろう<おらっちもそうだし(^^; まだ東野作品を読んだことの無い方は、とりあえず初期の作品「放課後」(多分講談社文庫)から読まれることをお勧めする。 「卒業」「魔球」へ続く、青春3部作になっているし
本を頂いた人には、しっかり読後感想を語っておいた@礼儀かな?
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