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Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
トム・クランシーのこと

先々週、トム・クランシーの訃報がでていました。
「レッド・オクトーバー」の作者と紹介され、やはりあの第一作がいちばん強烈だったのだなと。でも彼が開拓した「ハイテク軍事スリラー」という分野は、その後の冒険小説や国際謀略小説の流れを変えたと思います。

訃報紹介のヤフーの記事(日本語)にリンクが貼ってあったニューヨークタイムスの追悼文が最も印象的でしたが、当日しか記事がよめないようになっいるので、残念ながらご紹介できません。
今週号のTIMEはまだ店頭にあるでしょうか? コリン・パウエルが追悼文を寄稿しています。「トムは実際の装備にもとづいて小説を描いていた。彼の小説はすべて、実際に発生しうる可能性のあることであった(couldの仮定法)」という部分が印象的でした。

私は当時フレデリック・フォーサイスなどの国際謀略小説をよく手にとっていたので、その流れでクランシーも読んだという感じでしょうか? 海洋小説だという認識はなかったんです。
主人公のライアンはCIAであんな仕事をしながら、家では良き夫、マイホームパパというのがカルチャーショックでしたね。日本だと公務員は滅私奉公みたいな価値観が多いから、あれがアメリカの家族の価値観だから大統領選にも家族全員(奥さんも子供も)出てくるのねと妙に納得した記憶が。

再読して驚いたのですが、「愛国者のゲーム」でライアンの家族がIRAに襲われた時に「今まで米国本土は外国からのテロを経験したことがない」というようなセリフが出てきます。1980年代はそういうセリフもありえた時代だったのだなぁ今や昔の物語になってしまいます。


2013年10月14日(月)