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Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
ハイテクより300年前のテク…ビクトリー号修理

英国にとってはトラファルガー海戦の象徴であるビクトリー号は、ポーツマス市の海軍博物館のドックヤードで現在大規模修理中ですが、この作業に関して、なかなか面白い記事が、英国の新聞Daily Mailに掲載されていました。

Nelson's HMS Victory gets £50m facelift using a technique used by sailors 300 years ago after modern methods fail
http://www.dailymail.co.uk/news/article-2210357/Nelsons-ship-gets-50-million-facelift-using-technique-used-sailors-HMS-Victory-300-years-ago.html

ビクトリー号の木造甲板の漏水修理について、最新の合成樹脂ではうまくいかず、結局300年前の技術(麻とピッチ)を用いることになったという話。
実際のところは修理するよりも設計図通りに再建造した方がお金がかからない、という話も。
もっとも、再建造されたビクトリー号はもはやビクトリー号ではない、とイギリス人は考えるんだろうなぁと、容易に想像できるので。彼らにとってオリジナル(当時のもの)にこだわるのはお金の問題ではないのでしょう。

難しいところですね。
グリニッチ海事博物館のカティ・サーク号は、炎上などもあって、かなりの部材がすでに当時のものではないのですが、カティ・サークとビクトリーは英国人の中では認識が違うのかなぁとも。
カティサークは速さ(性能)が象徴の文化財ですが、ビクトリー号は艦の「性能」よりも「人」が象徴の文化財、そこが違いなのかなと思われます。


2012年10月21日(日)