Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
ジリオ島沖の座礁事故
イタリア西岸の地中海ジリオ島沖で大型客船コスタ・コンコルディアが座礁したニュースが派手に報道されていますが、「ジリオ島」と聞いて「あれ?」と思いませんでした?
ジリオ島って、ダドリ・ポープのラミジ・シリーズ20巻「ナポレオンの隠し札」で、フランス軍がイギリス人の捕虜を幽閉していた島ですよ。 ラミジ達は、カリプソ号をフランスのフリゲート艦に偽装して、ジリオ島のカステロ砦から、捕虜を移送に見せかけて救出するんです。
その後、後を追ってきたフランス艦をフォルミカ・ディ・グロッセト岩礁に座礁させて逃げ切るんですが、この岩礁はジリオ島からかなり離れた北にあるので、今回の大型客船が座礁した浅瀬ではありません。 でもおそらく、このあたりはかなり岩礁が多いんでしょうね。
下記BBCのニュースによると、浅瀬に乗り上げたのはちょうどディナーの最中で、イブニングドレスのまま逃げざるをえなかった乗客も多かったとか。 みなさん映画の「タイタニック」を思い浮かべて、パニック状態になってしまったそうです。
Italy cruise ship Costa Concordia aground near Giglio http://www.bbc.co.uk/news/world-europe-16558910
NHKのニュースでもインタビューされた乗客は皆さん「タイタニックを思い出して」と語っていらっしゃいましたね。 乗客撮影の映像で、ボートが水面に着水する瞬間に揺れて皆が悲鳴を上げるんですが、乗組員がイタリア語で「着水の瞬間に揺れますが落ち着いて」と言ってるんですけど通じてないですよね。乗客にはドイツ人、フランス人、イギリス人が多かったようです。 やっぱりそこは英語で言わないと。 っていうか、やっぱりイタリアの客船に乗る以上はイタリア語わからないとこういう時に困るのかもしれません。
それにしても200年前やタイタニックの時代はいざしらず、GPSも水深探知機もある現代の豪華客船で、いったいどうして浅瀬に座礁なんてことになってしまったのか、なんだか信じられません。 以前に私がオーストラリアのグレートバリア・リーフで乗った遊覧船は定員150人くらいの小さな船でしたけど、ガラス張りの操舵室に水深探知機とGPSがあって外から見えるようになっていて、キャプテン・クックの時代からのはるかな進歩を実感したのですが、今回の衝突原因を知りたいものです。
2012年01月15日(日)
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