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Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
ビクトリー号の解体修理

ネルソン提督の旗艦ビクトリー号が、老朽化と自重から崩壊を始めていること、にもかかわらず財政難の英国政府は補修費用を予算計上できないこと、については1月16日の日記でご紹介しました。

この状況に強く反対したのは英国の世論。結局、ビクトリーは10年という長い歳月をかけて、毎年少しずつ、国の予算で補修を行うとことになったようです。これならば現在の財政状況でも何とかなるということでしょうか。

早速、落下の可能性があり危険なヤードの取り外し作業が開始されました。
なんと、この作業の様子がネットで見られるんです。素晴らしい世の中になりましたね。

Down-Rigging HMS Victory
http://www.oldsaltblog.com/2011/09/02/down-rigging-the-hms-victory/

英国政府が当初予定を変更し、ビクトリー補修にいたった経緯と、これまでのビクトリー号の歴史については下記の新聞記事に詳しく紹介されています。

Victory is mine: Where Napoleon failed, our man in the rigging helps tear apart Nelson's mighty flagship
http://www.dailymail.co.uk/news/article-2032417/Victory-Where-Napoleon-failed-man-rigging-helps-tear-apart-Nelsons-mighty-flagship.html
ビクトリー号はなんども解体の危機に直面しながら、生き残ってきたようです。
最初の危機…1831年の現役引退の時、ビクトリー号の解体命令に泣く泣く署名をせざるをえない立場に立った第一海軍卿は、偶然にもトラファルガー海戦時の旗艦艦長だったサー・トマス・ハーディだったそうですが、その話を聞いたハーディ夫人は「あなたは絶対にその書類にサインしてはいけない」と泣きながら夫に「命令」したのだそうです。
その後なんども解体の危機はありましたが、第二次大戦時のドイツ空軍のポーツマス空襲にも、ビクトリー号は生き残りました。
そして今回も、
しばらくはポーツマスを訪れても見学できないかもしれませんが、修理の様子はまたネット上の画像で見ることができるかもしれません。


2011年09月19日(月)