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Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
ブライ州首相の舵取り

1月に度重なる大雨とサイクロンに見舞われたオーストラリア北部の州クイーンズランド。
その州知事にあたる州首相(premier)はアナ・ブライという女性政治家です。

ブライと聞いて「あら?」と思われる方は多いと思いますが、彼女はあのバウンティ号の反乱で有名なウィリアム・ブライ艦長の直系の子孫、great grand daughterだそうです。
great grand daughterは「ひ孫」なのですが、ウィリアム・ブライは1754年生まれ1817年没で、アナ・ブライ州首相は1960年生まれですから、お父さんもおじいさんも長生きだったのか?(ブライ州首相は私よりちょっと年上な程度ですが、私のひいおじいさんは幕末の生まれだそうですから、ひいおじいさんの時点では100年以上の年の差があるんですが)

じつはブライ州首相の支持率は年末には28%まで低迷していました。
しかし、今回の大洪水に際し、機敏なリーダーシップを発揮したことで、支持率は急回復、
さすが7メートルの無蓋のボートで十分な食糧も水もなく、南太平洋で47日間の漂流航海をやりとげた艦長の子孫!と新聞に書き立てられているそうです。

Captain Bligh steers Australia in flood crisis
http://www.allvoices.com/contributed-news/7966045-captain-bligh-steers-australia-in-flood-crisis

Captain Bligh steers the ship in face of adversity
http://www.theage.com.au/opinion/politics/captain-bligh-steers-the-ship-in-face-of-adversity-20110112-19ob0.html?comments=71

どちらの記事も「ブライ艦長、舵をとる」という新聞見出しになっていますね。
ここで注目されるのは、ブライ艦長が航海士の反乱にあって、7メートルのボートでバウンティ号から追放されたことではなく、47日間の航海をやりとげたリーダーシップの方である、というのが、第三者から見ると面白いなぁと思うのですが、

歴史上の有名人を先祖に持つと大変ですね。
フィギュアスケートの織田信成くんも織田信長をご先祖さまにもったがために、マスコミに「信成の野望」とか持ち上げられ、負けると「天下統一失敗」とか書かれてしまうところが、気の毒だなぁと思います。


2011年02月06日(日)