先週の連休は、友人に誘われて「近江の国 敗者の史跡旅行」に行ってまいりました。小谷城址、佐和山城址、関ヶ原古戦場など、今はただの山、ただの田圃になっている場所を、「○×跡」と記された石碑を探して歩く…という好きな人は好きだけど、興味の無い人には何が面白いんだかわからないであろう(本丸址からの琵琶湖の眺めは絶景ですが)、マイナーツァーです。落城址というのは、「ここで多くの人が自害した」と思うとどうも一人では行きにくく――私は全然「見えない、感じない」質なんですけど、ただ気分的に――佐和山城や小谷城にはこういう機会でもないと行けなかったと思いますので、誘っていただいて感謝してます。日本の戦国時代は、このHPのテーマである18-19世紀海洋小説とはかけ離れてはいるのですが、この近江北部近辺には、戦国時代に鉄砲鍛冶で知られた國友村があり、その関連から長浜城歴史博物館では「歴史の中の鉄砲伝来」 http://www.city.nagahama.shiga.jp/section/rekihaku/という特別展が11月4日まで開催中でした。火縄銃や、幕末期のライフル銃は実際のものが幾つか展示されていますが、スペースの関係もあり、写真展示のものも幾つかありました。あれっ?と思ったのは、この写真展示↓なんですが、ナポレオン戦争の時代の砲艦に装備されていた臼砲って基本的(この写真のは陸上の砲台用のようですが)にこういうのですよね?これは幕末に佐賀藩がオランダから入手したドイム・モルチールという臼砲で、1819年ハーグ製造のものだそうです。佐賀城の本丸歴史館に展示されているとか。ところで私は全然知らなかったんですが、同じテーマでもっと大規模な企画展が、去年、千葉県佐倉市の国立歴史民俗博物館で開催されていたんです。歴史のなかの鉄炮伝来-種子島から戊辰戦争までhttp://www.rekihaku.ac.jp/events/o061003.html展示物一覧http://www.rekihaku.ac.jp/events/images/061003_list.pdfこの時の図説資料が、長浜の資料館にもあったので購入したのですが、これがなかなか、私には大変参考になる資料でした。まぁその、女性はというか私は、海洋小説読んでいても銃火器関係に弱いんですよ。と言ってもこのあたり日本にはあまり資料がない。それはもちろん帆船も同じなんですけど、帆船の場合はまだ海洋小説の図説などの基礎知識があるので、洋書の資料でも何とかついていけます。が、銃火器関連は基礎からちんぷんかんぷんですから(また小説にもほとんど解説はないし)、でもこのあたりって入門書がなくて、専門書は専門すぎてとても手が出ないのが現状。ところがこの歴史民俗博物館の図説資料は、「鉄砲の基礎知識」「鉄砲の歴史用語」から、素人向けに丁寧に解説が始まり、最終的には幕末のミニエー銃やらアームストロング砲に至るという、銃火器に詳しい方にももちろん満足いただける内容だと思いますが、初心者にも大変ありがたい構成になっています。佐倉の博物館にもまだバックナンバーはあるのではないかと思われますので、ご興味のある方は取り寄せてみられたらいかがでしょう?********************************付録:近江国 敗者の史跡佐和山城址(石田三成の居城)蓮華寺(最後の六波羅探題 北条仲時の供養塔)小谷城址(浅井三代の城)