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Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
海洋小説の危機を救ってください

ハヤカワ書房から刊行されているジュリアン・ストックウィンのトマス・キッド・シリーズ。
この翻訳出版が、物語半ばで途絶の危機に直面しているとのことです。

Salty Friends(セイル・トレーニングなどの普及を通して海や船に親しむ機会を広げようとしている民間団体)のHP
http://saltyfriends.com/ 「9月11日」の項をご参照ください。

Salty Friendsでは現在、シリーズが中断しないよう、早川書房に嘆願メールを送る呼びかけを行っています。
上記HP9月11日の記事の末尾から早川へのメールフォームが開きます。
どうか御協力を御願いいたします。


ただ、このHPにも触れられていますが、現状日本で帆船時代の海洋小説が売れ行きが今ひとつ伸び悩んでいるのだとすれば、これはいま現在のファンの熱意だけでどうこうなる問題ではないのかもしれません。
長期的に、海洋小説の売り上げが伸びていかなければ、キッド・シリーズにとどまらず、オーブリー&マチュリンの11巻以降の翻訳出版にも響いていくことになるでしょう。

私たち現在のファン自体も、何らかの形で海洋小説ファンを増やしていかなければなりません。

HPやブログをお持ちの方>面白かった本の感想を積極的にupしてくだされば、それを読まれた方が新たに海洋小説を手にとってくださるかもしれません。

本屋さんにおつとめの方>書店員のポップはベストセラーの隠れた原動力だそうです。魅力的なポップを作成して、海洋小説に立ててはいただけませんか?

帆船模型店の中にも、海洋小説を一緒に販売してくださるところが出てきているそうです。
ヨットクラブやマリーナの会員の方>クラブやマリーナの売店に、海洋小説を置いていただくというのはいかがでしょう?

ざっと今思いつくのはこのあたりなのですが、他にも皆様、何か良いアイディアがありましたら、是非実行に移していただけると幸い。

私たち1980年頃に少女時代をすごした世代には、意外と海洋小説ファンが多いのですが、この中には当時、青池保子氏が少女誌に連載されていた漫画がきっかけでした、という人少なくありません。
また、1980年代の海洋小説ブームは、当時のサラリーマン世代に多くのファンを抱えていましたが、その後あらたなきっかけが無かったために、若い世代のファンをとらえきれていないような気がします。

実は最近、資料探しで検索をかけていると、ゲームファンのサイトによく当たるのですよね。
大航海時代のゲーム・ファン、このあたりの皆様をうまく海洋小説に誘えないものかと思ったりもするのですが、

実はちょっと嬉しいニュースがあります。
9月28日(今週の木曜日です)に新書館から発売になる漫画誌Wings11月号で、ナポレオン戦争時代の帆船を舞台にしたファンタジーの新連載が始まります。タイトルは、

『コランタン号の航海 -水底の子供-』 山田睦月(原作:大木えりか)

詳しくは来週、雑誌が発売になってからご紹介しようと思うのですが、木曜日に本屋さんに行かれる方がありましたら、是非お手にとってごらんください。

一人でも多くの方が海洋小説を面白いと思ってくださり、広く手にとってくださることを願って、
できる限りのことをやっていきたいと思っています。


2006年09月24日(日)