Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
横須賀・勢古宗昭海洋画展に行ってきました
16日の土曜日に、横須賀の記念艦「三笠」艦内で開催されている勢古宗昭氏の海洋画展を見に行ってきました。 艦内のキャビンという環境は、何より海と船の絵を鑑賞するのにふさわしい場所だと思われますし、 美術館で絵を見るように、ゆっくりじっくり、絵の前に立ちつくしてそのまま絵の世界に入っていくことができます。
え?それは当たり前って? それはそうなんですけど、 えーと、…ちょっと声を潜める…、これが百貨店の画廊だとそうはいきませんでね。 ゆっくりじっくり1分以上も絵を見ていたりしていると、店員さんに声をかけられてしまって。どうも興味があって絵を買いそうな客だと思われてしまうんですね。 「そのような余裕はありませんので」、とお断りしても、「それではあちらの小さい絵はいかが」とかセールストークが続いてしまって…。 いえ、申し訳ないんですけど、私はあちらの小さな日本の船ではなくて、こちらの(私にはとても買えないけど)大きな英国の戦列艦と向き合ってお話したいんです(泣)…みたいな。
今回は心ゆくまでネルソン艦隊と対面することができましたので、とても幸福でございました。 あの時代の戦列艦が揃っているとことなんて、もう絶対に実写では見ることが出来ないわけで、ホーンブロワーのTVシリーズとてどう頑張っても模型ですものね。
抽象画の巨匠ピカソは、写真技術が一般のものとなった時「写真は絵画を、あらゆる文学や逸話や主題から解放したのだ。画家たちはようやく自由を手に入れたのだから、他のことに取り組んでみるべきではないだろうか」と言って、絵画の抽象的表現を極めていったと聞きます。 写真以前の時代、画家は写真家の代わりでしたから、その時代の人物なり光景なりを描き残す役割を担っていたわけですが、 写真どころか衛星写真が一般人にも容易にアクセスできるこの21世紀でも、やはり絵画でしか見られないものはあるのだな…と。
今は横浜の乾ドックに繋がれている先代日本丸の海上での姿も、もはや絵の中でしか見られません。現在の日本丸でも、伊豆七島あたりなら東京からヘリを飛ばして写真を撮ることもできるでしょうけど、太平洋のまっただ中とか、海面上からの視線(艦載ボートから船を見たようなアングル)などは写真で見られるものではありません。
昨日は海洋系HPのなんとなくオフ会のような形で、7人でどやどやとお伺いしてしまった形になったのですが、このメンバー中に以前に個展で画伯と面識のある方がいてくださったおかげで、勢古先生ご本人ともお話をさせていただく機会に恵まれました。 今はもう無き昔の船を描くには、写真と設計図面は必要ですね、など貴重なお話を伺うことができました。 ありがとうございました。
勢古宗昭海洋画展 "大海原と潮風と船にロマンを求めて" 2006年9月3日(日)〜9月29日(金)会期中無休 午前9時〜午後5時30分(最終日は午後3時まで) 記念艦「三笠」への入場料500円が必要となります。 記念艦「三笠」 神奈川県横須賀市稲岡町82−19(横須賀中央駅徒歩15分)
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横須賀オフ会の余談:
横須賀中央駅から三笠公園に行く途中に、在日米軍横須賀基地のゲートがあります。 ゲートの前には巨大な錨が展示(?)されていまして、海洋ファンが揃えばやはりこの錨はなに?とかやはり是非カメラに納め…とかいう発想になるわけです。 この錨、正面から撮影する分には問題ないのですが、脇から撮影しようとすると、錨の向こうというか背景に横須賀基地のゲートが入ってしまいます。 その途端! 「おいっ!ダメだ!」 という大声が…。 思わずキョロキョロあたりを見回してしまいましたよ(側に人がいなかったんですもの)。 声の主は、たっぷり70メートルは離れたゲート横で警備していた、迷彩服の兵隊さんでした。 びっくりしたー。 いやしかし、この距離を届くこの声、この声量、この迫力。さ、さすがホンモノの海の男だわと感心。 つまりですね。テロ厳戒中の米軍基地のゲートなどを撮影したらいかん!ということです。怪しいテロリストと間違われても文句は言えません。先日経験したばかりのヒースロー空港の厳戒態勢を考えれば、これは当然ですね。 どうも申し訳ありませんでした。
見学を終え、お茶をして、ドブ板通りを歩いている時にサイレンが鳴りました。時刻は16:45。妙に半端な時間です。 あれ?ひょっとしてこれ米軍の終業のサイレンでは?との声あり。「この前米海軍の小説を読んでいた時に、45分ってずいぶん妙な時間に業務が終わるなぁって思ったことがあるのよね、でも4時45分だったかどうかまでは覚えていないんだけれども」…とおっしゃる方が。 実際はどうなのでしょう?
一昨日に入港した艦があったらしく、土曜日のドブ板通りは外のテラスでビールを飲む若者やご家族連れなど賑わっていました。 ドブ板通りには横須賀ジャンパーという、米軍さん好みの背中に龍の刺繍が入ったジャンパーを扱うお店があるのですが、このお店には鳥獣戯画を縫い取りしたTシャツなどもあって…、龍は強そうだけれども、兎と蛙はどうなのかしらん?と。
夜は大崎のアイリッシュパブShannonsへ。 このお店は初めて入ったのですが、お酒がなかなか揃っています。Murphysのスタウトがあるのが嬉しい。 しかししかし、 本当のアイルランド料理は、こんなに見目うるわしく盛りつけなんかしないわっ! 日本ってお料理に関しては何て繊細な国なのだろうと、改めて感心した次第です。
…デジカメまだ修理中のため今回写真はありません。
2006年09月16日(土)
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