Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
時をかける少女
レディスデイに新宿3丁目に用事があって、じゃぁ帰りに映画と思ったのですが、海賊映画もゲドもまだ混んでいると思ったので、じゃぁ評判の「時をかける少女」でも …というこの判断は混み具合からすると大間違い。「お立ち見でもよろしいですか?」と言われてしまいました。 どうも最近、私の読みははずれてばかり。 まぁしかし、その時点で上映開始時間の関係上、もう他には行けなかったので「立ち見」してきました。
評判通り、たいへん良く出来たストーリーでした。 原作、そして20年前の角川映画のヒロインだった芳山和子(今は30台後半の博物館学芸員になっています)の姪が主人公…という、今回は言わば続編ですが、この映画がむかしのファンにも評価されている理由はわかります。
今回の映画化はアニメーションですし、製作者の観客ターゲットは今の若い人たちなのでしょうけれど、20年を経た中年世代が見ると、年月を重ねた、または、もう若い時には戻れないからこそ見えてくるものもあって、これはタイムリープをテーマとした映画ならではだと思います。 いやぁトシとるって、映画を見る上ではいいことですね、なんてしみじみ。 夜の回を見に行ったこともありますが、観客の年齢層が高い。男の人が多い。…この人たちきっと、昔の大林監督・原田知世主演の前作ファンだったのよね。
アニメーション映画ではありますが、背景その他のロケハンがしっかりしていて、現代の東京の存在感があります。 声の出演も、声優経験のない俳優さんを起用、主人公やその友人たちを演じているのは皆さん現役の高校生女優さんたち。 それがこの映画のリアルな魅力になっているのですが、でもそうなると、では何故アニメーションの必要があるのかしら?とも考えてしまう。
そもそもこの「時をかける少女」というのは、最初はNHKの少年ドラマシリーズだったんですよね。実写のリアルさが魅力だった物語です。 だからこそ、アニメであってもリアルさを求めるのだろうけれども、でもそれって何か、アニメがアニメである必然を自ら否定しているような? それもまた一つの演出的挑戦なのでしょうか?
2006年08月18日(金)
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