Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
南回帰線
元同僚から、知人のペンションがTVで紹介されるから番組を見てくれとメールが来て、その番組を見ました。 伊豆・城ヶ島の「南回帰線」というゲストハウス。 http://www.minamikaikisen.com/
北回帰線は北緯23.4度、南回帰線は南緯23.4度。英語ではtropic of cancerと、tropic of capricorn。 これが、太陽が垂直に地表を照らす緯度の限界点で、北回帰線では夏至つまり蟹座(cancer)が黄道上に現れる季節に太陽光線が垂直に降り注ぎ、南回帰線では冬至(山羊座capricornの季節)にこの状態になる。赤道では春分と秋分に太陽直下となる。 北回帰線と南回帰線に挟まれた地域を、一般には「熱帯」と言う。
このゲストハウス「南回帰線」は、タンザニアやインドネシアなど回帰線に挟まれた地域に商社マンとして駐在したご夫妻が、早期リタイア後に開いたペンションで、各部屋のインテリアはエスニック調、夕食には各国の珍しい料理が供されます。 とても素敵なペンションで、これはぜひ滞在してみたいと思ってしまったのですが、どなたかお付き合いいただけませんでしょうか?
これがきっかけで南回帰線の言われをちょっと調べていたら、懐かしい記憶の引き出しが開きました。
松任谷由実の昔のアルバムに「Tropic of Capricon」という曲があります。文字通り南回帰線という意味で、南の海を行くヨットを思わせる歌詞です。1983年12月の「Voyager」収録。 これって「時をかける少女」(原田知世が主役の高校生だった)が入ってるアルバムですから、昔ぶりが知れるというものです。
小説を読みながら、これってあの曲のイメージ…と想像をめぐらすことを、昔はよくやっていたのですが、この「Tropic of Capricorn」は、私の中ではボライソー7巻「反逆の南太平洋」のテーマでした。 正確に言えば南太平洋(Tropic of Capricornの海域)を漂流するリチャードとヴァイオラのテーマ。 7巻の発売は1985年9月ですが、大ハマリしていた私は翻訳を待ちきれず、1984年の秋に原書でこれを読んでいたのです。 当時、巷にはユーミンの「Voyager」が流れていて、タイムリーにもこの二つがかっちり合ってしまいました。
「Tropic of Capricorn」の歌詞は、今きくと結構恥ずかしいし、リチャードの危険な恋も、その後いろいろお付き合いすると最早うんざりなのですが、 あの当時は、私もまだ「大恋愛」なるものにきゃあっ!とか思ってしまうみいはぁ娘で、リチャードの不倫愛も一線を越えてしまったのはあれが初めてでしたから、 私も素直にこの歌詞を小説に重ねてうっとり…南の海を思っていたんだわ…ということを、突然に思い出して、
いやぁ歳月って、…流れるもんなんですね。その後17巻続くリチャードの人生もですが、私のもそれなりに。
2006年03月11日(土)
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