Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
ボライソー28巻ほか新刊情報
1月のハヤカワ新刊はアレクサンダー・ケントのボライソー28巻だそうですね。 あらら。オブライアン7巻の方が先だと確信していたのに。
『若き獅子の凱歌』 1月下旬刊 〈海の勇士/ボライソー・シリーズ28〉 アレグザンダー・ケント/高橋泰邦訳 士官任官試験に合格し、新たなる艦で新任務へと勇躍赴く、若き日のボライソーの活躍。
これってやっぱり2005年10月英国新刊「Band of Brothers」の翻訳? いやその、ケントの既刊で翻訳されていないのは、今は28巻のBand of Brothersだけですから、たぶんこれは10月に発売されたこの本に間違いないんでしょうけれども、今ひとつ私が不安に思っているのは、翻訳の速さもさることながら、タイトルが…、 凱歌って「勝利の歌」とか「勝ち鬨」という意味だと思うのですが、これちょっと、いえ、かなり、本の内容とかけ離れているので、本当にこの翻訳なのかと。
私は「Band of Brothers」読了したのですが、なんというかもっと、ひっそりとした、しめやかな小説でした。 およそ勇ましい凱歌とは無縁な、 もしこれを何らかの歌に例えるとしたら…、 「さとうきび畑の唄」という沖縄の歌がありますね。新垣勉氏の、ざわわ、ざわわ…というフレーズが印象的なあの歌。 28巻ってあの歌のような味わいの小説だと私は思うのですが。 表面的にはとっても爽やかに流れていくのだけれども、中をまたは歌詞をじっくり味わって読む(聴く)と、実はとても哀しい。 そしてそれが見事な味わいになっている…決してドラマティックではないからこそ胸に残る。
ホーンブロワー第二部2話の、ペリュー提督がホレイショに海尉艦長任命辞令を渡すシーンを覚えていらっしゃいますか? 昇進は祝い事には違いありませんが、あそこであの状況でホレイショに凱歌を上げる人はいないでしょう? 同じ海尉艦長任命でも、M&Cのプリングスの辞令の時とは全く状況が違う。
そういうコトです。だから私はやっぱりこの「凱歌」というのは違うと思うのですが。 なんというかこれ、2年前の今頃のM&C予告騒動の全く逆を行っているような気がします。あちらこそむしろ「凱歌!」で売るべきでしたのに…ねぇ?
さて、トラファルガー200周年の年は終わろうとしていますが、英国では新たに2冊、特筆すべき本がConway社から発売されています。
ひとつめは海図の本 「Sea Charts of the British Isles - A Voyage of Discovery Around Britain & Ireland’s Coastline 」
ロンドンとテムズ河口、英国沿岸(アイルランド含)の古海図を集めた本ということです。 ロンドンからテムズ川を海へと下っていくあたりは、おそらく近現代の開発で多少地形などが変わっているはずですから、昔の海図をみてみるのは面白いかもしれませんね。 ラミジの何巻だったかに、チャタムを出航してテムズ河口で補給を受ける話しがありましたよね。この本を片手にラミジを開いてみるのも良いかもしれません。
この本の詳細は下記URL参照。収録海図の一部もみることができます。 http://www.seabritain2005.com/server.php?show=ConWebDoc.1029
ふたつめは、 The Ships of Trafalgar - The British, French and Spanish Fleets October 1805
トラファルガー海戦に参加した、英仏西のすべての艦船を詳細に検証した世界初の本だそうです。 著者はPeter Goodwin、ビクトリー号の保存に従事している博物館学芸員として有名な方です。
この本もamazon.jpからオーダーすることができますが、本家本元英国Conway社版 6,481円のほかに、米国Naval Institute Press社版 5,804円もございます。 今はドル安だから米国版の方がちょっと安いということでしょうか?
この本に関する詳細は下記。 http://www.seabritain2005.com/server.php?show=ConWebDoc.1030
相変わらず通信環境には不自由していますが、できる範囲で少しずつ、このようなニュースはお伝えしていきたいと思っています。 1月には「ネルソン葬儀200周年」(!)のイベントもあるようなので、これもちかぢかご紹介します。
2005年12月21日(水)
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