Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
オブライアン6巻は9月22日(木)発売
昨日は10日でしたので、いそいそと本屋に出かけました。 いえ、本を買うためではなく、9月上旬発売分のハヤカワ文庫の中に挟み込まれている、チラシをチェックするために。 これって、ただの立ち読みだけの客と比べてどっちがより嫌な客でしょうね? 本やさんごめんなさい。22日は必ず同じお店に行きますから。
というわけで、 ハヤカワ文庫NV オーブリー&マチュリン 6巻 「ボストン沖、決死の脱出行」は、連休直前の 9月22日(木) 発売です。 たぶん早いところは21日(水)の夜に出ます。
22日の早川はまたまた、谷甲州氏の山岳小説が同日発売で、林穣治氏のSFも出るんですね。 ついでに、7月から発売が延びている創元のSFは9月も駄目みたいですよ。
早川10月は、キッド・シリーズの4巻が出ます。ノアの反乱が舞台の話だそうです。 読書の秋到来!ですね。
先週ゲットしたもう一つの、私にとって嬉しかったニュース。 サー・ウォルター・ローリーにかこつけて、これも海とは無縁でないということで、ご紹介させてください。
シェカール・カブール監督の歴史映画「エリザベス」、続編の製作が決定したそうです。 「Elizabeth : The Golden Age」というタイトルで、2006年春から撮影開始。公開は2007年でしょうか?
エリザベス一世のケイト・ブランシェットと、サー・フランシス・ウォルシンガムのジェフリー・ラッシュはそのまま。 レスター伯がジョセフ・ファインズから、ジェレミー・アイアンズに替わりますが、これは今回登場するエセックス伯との年齢差を考えると致し方ないことでしょう。個人的には楽しみです。アイアンズのレスター伯。 そのエセックス伯は、ヒュー・ダンシー(「キング・アーサー」のガラハット)。 そして今回の続編で重要な役割を果たすらしいのが、サー・ウォルター・ローリー、演じるのはクライブ・オーウェン。
ウォルター・ローリーは船乗り・探検家として有名ですが、この続編にその部分を期待するのは無理だろうと思っています。 ローリーにはもう一つ。エリザベスのスパイ・マスターとしての顔がありましたから、むしろ今回重要になるのはこちらでは?と推測しますが、どのようなストーリーになるのかは、現時点では不明です。
まぁ私好みの時代、私好みのキャストということもあるんですが、私にとってそれより嬉しかったのは、ハリウッドのメジャースタジオであるユニバーサル映画が、この地味な映画の続編製作を決意してくれたこと。 「エリザベス」はアカデミー賞7部門にノミネートされた、大変クォリティの高い映画ですが、ストーリーは地味だし暗いし、高く評価はされても、決して観客動員の期待できる人気作品ではありません。 でもおそらく、そのクォリティを考えた時に、ユニバーサル映画としてはこの作品の続編を作る価値があると考えたのでしょう。
このニュースを聞いた時私は、9月2日の日記でちらっと触れた、M&C続編の可能性に関するハリウッド業界人マックスさんのコメント解説を思い出しました。 オブライアン・フォーラムの掲示板への書き込みの中で彼は「ハリウッドはクォリティの高い映画については、製作スタジオのステータスを高めるためにも、続編製作を決める場合がある」と言っています。 たぶん「エリザベス」の製作決定は、この考え方にのっとったものでしょう。 たとえ「エリザベス」の続編が興行的に成功をおさめなくとも、アカデミー賞などで高く評価されれば、ユニバーサル映画のステータスにはプラスとなるという考え方。 だからM&Cの続編も希望を捨ててはいけない、M&Cはアカデミー賞10部門にノミネートされ高いクォリティを証明、米国での興業収入こそふるわなかったものの、海外での興収とDVD売上は十分に20世紀FOX社に利益をもたらしているのだから…というのがマックスさんの結論なのですが。
「エリザベス」は1998年の映画です。続編の決定までに7年かかっているというわけ。 なんかちょっと、元気が出てきた…というか、M&Cも気長に待とうという気になりました。 それと同時に、ひそかに「エリザベス」を応援しようと。 これでユニバーサル映画が成功をおさめれば、20世紀FOX社も考えが動くかもしれませんし。
でもきっとまたこの映画、前作同様、暗くって陰謀ドロドロの展開になるんでしょうねぇ…。 もはやベテラン、キャリアも十分なガラドリエル様…じゃなかったケイト・ブランシェットがどのような女王を演じてくれるかも楽しみです。
2005年09月10日(土)
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