Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
ラミジのキャスティング
先週のキャスト投票の時に、「実はM&Cではないのですけれども」という断り書きつきで、すてきなキャスティング提案をいただきました。 至誠堂から出版されているダドリ・ポープのラミジ・シリーズ。 ラミジにクリスチャン・ベール、ジアナにキーラ・ナイトレイ。 あ、これはぴったりかも!と思いました。 Aさん>素敵なキャストをありがとうございました。
ニコラス・ラミジは、1775年生まれ、シリーズ第1巻「イタリアの海」は23才の海尉として登場しますが、全23巻の物語は1806-7年まで続きますから、最終巻には30才の勅任艦長になっています。 彼は第10代ブレージー伯爵ジョン・アグロウ・ラミジの長男として英国南西部コーンウォール州のセント・キュウで生まれましたが、少年時代の一時期をイタリアで過ごしたため、イタリア語が堪能で、フランスへの潜入任務ではイタリア人として通るほどです。 一方のジアナは、イタリア・トスカナのボルテラ家の惣領マルケサ・ディ・ボルテラ(女性侯爵)で、1巻では17-8才。フィレンツェにあるギベルティの彫刻「イブ誕生」に例えられる黒髪の個性的な美人。
クリスチャン・ベールは確かにダークヘアで、鋭さはあるけど落ち着いた目をしている。そこが似合いでしょうか? ラミジの目は、例えばヨアンのようなきつさはなくていい…でも鋭さは必要と思って悩んでいたので、あぁそうかそうね!とすっかり納得してしまった私です。
キーラ・ナイトレイは英国人ですが、キング・アーサーのグィネヴィアを見ていると、ジアナを彷彿とさせるものがありますね。 実は私、去年「パイレーツ・オブ・カリビアン」を見た時、彼女には別の役を考えていたのですけれども、「パイレーツ…」のお転婆なお嬢様エリザベスのキャラは、ラミジ19巻に登場するアレクシス・アウレリア・ヨークにかぶるものがあったので。でもグィネヴィアを見るとなるほどと思います。
ジアナには…これを言うととんでもない発想だと怒られそうですが…、私、「スターウォーズ」のレイア姫のイメージがあって、小柄だけど覇気に溢れているところが。だからといってキャリー・フィッシャーとは言いませんが。でもレイア姫であってアミダラ姫ではないので、ナタリー・ポートマンではないでしょう。 余談ながら、先日TVで放映していたスターウォーズ1(エピソード4)は、若き日のデニス・ローソン見たさに最後の突入シーンだけ見ていました(苦笑)。デニス・ローソンは「ホーンブロワー」のフォスター艦長(第1シリーズ第2話)です。最後にルークと一緒に飛び込んでいく戦闘機パイロットの役。
ラミジの脇役ということでは私はもう一人イメージがあります。艇長のジャクソンに、スピルバーグの「太陽の帝国」のアメリカ人船員のイメージでジョン・マルコヴィッチ。でもこれ、奇しくも少年時代のクリスチャン・ベールが子役として主役をつとめた映画なんですよね。そしてマルコヴィッチの演じた船員は、両親と生き別れてしまったベール演じる少年の、時に父親がわりともなる役柄でした。 現在のマルコヴィッチはもう髪もすっかり白くなった初老の紳士ですから、もちろん駄目ですけれども。
ラミジについては私、脇役はいろいろと思い浮かぶのですが、主役はぽっかり抜けていました。 今回すっぽり埋めていただいて、私的には落ち着いてしまったような感が。 ラミジの部下たちは皆個性的なので、このキャスティングも想像してみると楽しいかもしれません。
2004年11月14日(日)
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