Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
日本丸展帆と横浜帆船模型展
本日は、海洋小説系の友人たちと、オフ会で横浜に行ってきました。 日本丸の展帆と、関内の有隣堂書店ギャラリーで開催されていた帆船模型展を見に。
横浜・桜木町の駅前のドックに係留されている日本丸は、正確には先代の日本丸で、80年代の半ばまで商船大学の練習船でした。 通常は帆も帆桁も固縛されていますが、年数回、ボラインティア展帆員の手によって展帆すなわち帆を広げる作業が公開されます。 ゴールデンウィーク中はあともう1回、5月5日にも展帆が予定されています。
展帆作業そのものを見に来るのは3回目ですが、前回はお天気が悪く、ストームセイル展帆(トプスルとジブ)でした。 今日は晴天ということで総展帆(すべての帆をひろげる)を見ることができました。 「M&C」効果か、この晴天のせいなのかわかりませんが、展帆を見に来られた方はいつもより多かったようです。
下で作業を見ていると、やっぱりマストに登りたくなってしまいますね。トゲルンやロイヤルまで行く自信はないけど、トプスルまでだったら一度だけど海星(セイルトレーニングシップ)で作業させてもらったし…、たぶん大丈夫だと思うんだけど。 でも日本丸の展帆ボランティアには年齢制限がありまして(39才まで)、私はもはや志願できないのでありました。
なにやかにやで未だに「M&C」にどっぷりな私は、展帆作業を見ていても妙なことが気になる。 たとえば操帆命令。DVDの吹き替え翻訳はどうなるんだろう? 例えば英語で投錨命令は「Let's go!」と言います。小説翻訳の場合は「投錨」と書いて「レッツ・ゴー」とルビをふる形が一般的のようです。映画の字幕なら「投錨」2文字ですむでしょう。でも吹き替え版の場合は? 「とーびょー!」と耳で聞いて、ふつうは、「闘病」ではなく「投錨」だとは思わない。投錨って耳なれない言葉ですから致し方ありません。 NHKで放映された「ホーンブロワー」の時はこれを、「錨を降ろせー!」と吹き替えていました。 これなら誰にでもすぐにわかります。
それで、日本丸の操帆命令はどうなっているのかな?…ということが、今回とっても気になりまして。 海星の操帆命令は、ほとんどが英語のままで、ロープを引く時も英国式で、掛け声は「ヒーブ!」でした。 日本丸の命令は名詞が英語、動詞が日本語、ロープを引く掛け声は「わっしょい、わっしょい!」 でも右舷(スターボード)と左舷(ポート)は英語のままだったりします。 やっぱりこれをそのまま、吹き替え版で使うわけにはいかないかなぁ…とも思います。ちょっとわかりにくい。 うーん、吹き替え版の翻訳をされる方のご苦労お察しいたします。
日本丸展帆畳帆のあいまをぬって、関内の有隣堂ギャラリーへ。 横浜帆船模型展、今年の特集は「旗」でした。 ヨーロッパ各国の海軍が掲げていた旗を年代ごとに紹介したパネル展示がたいへん参考になりました。 帆船模型展は東京でも規模の大きなものが開かれますが、横浜の模型展は小じんまりとしていますが、製作者の方の顔が見えて親しみがあります。例えば展示方法の創意工夫、製作途中の船が出品されていること。帆船模型は2年、3年と歳月をかけて製作される方が多いので、毎年模型展に伺っていると、船の製作過程を見ることもできるのです。
模型展は5月5日まで、関内の有隣堂書店で開催されています。 期間中横浜にいらした方は、立ち寄られてみてはいかがでしょう?
2004年04月29日(木)
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