Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
ロサンゼルス・プレミア--インタビューなど
遅くなりましたが、ロサンゼルス・プレミアの記事がネットに上がっていますので、インタビューの一部をご紹介します。
ロサンゼルス・プレミアには、ラッセル・クロウ夫妻、ポール・ベタニー夫妻、ピーター・ウィアー監督、士官候補生Hollom役のLee Inglebyとキャラミー役のMax Benitzが姿をみせました。
ラッセル・クロウへのインタビュー Q:事前にどのようなリサーチをしたのですか? ラッセル・クロウ(RQ):主に本を読んでいた。当時の研究書を何冊か。ネルソンに関する本も読んだ。ジョディー・フォスターは僕に「Sailing for Dummies」を送ってくれたよ。 訳注:「Sailing for Dummies」は帆走入門のような本と思われます。くわしくはこちらを。
Q:小さなドラマより、このような一大叙事詩の方がお好きですか? RC:この映画の神髄は、実際ところ、小さな人間ドラマにあると思っている。この映画は、映画館で見るとエピック・ムービーのように見えるかもしれないが、思うに、この映画の叙事詩的な側面だけを見ている人は、物語のポイントを見逃すことになる。
Q:ほとんど女性が登場しない映画ですが、撮っていて奇妙だとは思いませんでしたか? RC:女性は出てくるよ。それにスタッフの中には大勢女性がいた。まぁでも、確かに珍しいとは思う。でも「グラディエーター」にも女性はあまり登場しなかったじゃないか。
ポール・ベタニーへのインタビュー Q:あなたは献身的にプレスの質問に答えていますが、それがあなたにとって大切な理由は何ですか? ポール・ベタニー(PB):僕は映画を愛している。好きなものを売り込むのは難しいことではないだろう? これは素晴らしい映画だし、そしてそれはすべてウィアー監督に帰していると言うことができる。
Q:(撮影中に)船酔いはしましたか? PB:いいや、まったく。船酔いはしていない。僕は子供のころ海洋少年団にいたんだよ。父が入れたんだが、あまりものにはならなかった。でもボートにはよく乗った。だから船の揺れに慣れるのは早かった。
Q:海上での撮影中、手空きの時は何処で時間をつぶしていたのですか? PB:「モンキー・バー」と呼ばれている場所があってね。それがいやらしいことに、そこはバーと呼ばれているのに、全く酒を置いていないんだ。そんな馬鹿な、という奴だ。そこにはもうひとつ頭にくるものがあってね、大声で鳴くオウムなんだ。知っての通り、映画の最後には「いかなる動物も傷つけてはない…云々」というクレジットが流れるだろう、正しくは「モンキー・バーのオウムをのぞいてはいかなる動物も」とすべきなんだ。だって、明け方の5時から鳴くんだから。あのオウムには僕も含むところがあると言わざるをえない。 Q:オウムなんでしょう? どんな言葉をしゃべっていたか教えてくれませんか? PB:しゃべったりはしないんだ。ただ「SQUAACK!」って鳴くだけさ。
ところで、この「船酔いになりましたか?」という質問は、全関係者になされていたようです。 この質問に「私は酔った、と告白しなければならない」と答えたのはウィアー監督。
Lee Inglebyは、撮影前の2週間のトレーニングキャンプで、船上生活を学ばなければならなかったので緊張したこと、でもその2週間で、映画の中で演じることとなる共同生活を体験したことで、皆がまとまっていったことを語り、Max Benitzも、キャストは常に一緒の部屋にいてまるで船室のようだったこと。撮影の合間にはボード・ゲームをしたり本を読んだりいろいろ話をしたりして過ごしたこと、キャストを一部屋にまとめて待機させるのはウィアー監督のアイディアであること。を語っていました。 Lee Inglebyは「ハリー・ポッターとアスカバンの囚人」にバスの車掌役で出演が決まっており、こちらはブルー・スクリーンの前での撮影だ(バスはラッシュアワーで渋滞しているロンドン市内を時速160kmで走る設定なので、もちろん実写はできません)と答えていました。
まったく余談ながら、このプレミア紹介記事の下のところに、「Explore More」として、その他の人気記事というのが載っているのですが、「キル・ビルのスクール・ガール栗山千明」に関する記事が2つあるのですよね。女子高生のボディーガード、アメリカで人気なのでしょうか?
また、こちらは別記事ですが、13才の士官候補生Blankeneyを演じたMax Pirkis君(14才)のインタビュー記事も別途ネット上には上がっています。 この内容は無惨にねたばれしていますので、今ご紹介することはできないのですが、なかなか面白いので、日本公開の暁には、要約をご紹介したいと思います。 けれどもそれでは来年3月になってしまいますので、ひょっとすると原文のリンクが消えてしまうかもしれません。 興味のおありになる方は、URLを下記にご紹介しますので、画面を保存するかプリントアウトしておかれることをおすすめします。
マックス君インタビュー
ねたバレにかからないところでひとつだけ、このインタビューの中で私が笑ったというか驚愕したのは、「この映画の原作は読みましたか?」という質問に対するマックス君の回答でした。 「僕、ホーンブロワー・シリーズとシャープ・シリーズは本当に大好きなんだけど。ほら同じような話だけど、もっと子供にも読みやすい(child-friendly)でしょう? (オブライアンの原作は)もう少し大きくなったら読み直してみたいと思うんだ」
ホーンブロワーはともかく、シャープの原作が、チャイルド・フレンドリーなんですか??? う〜〜〜ん。
3分ほど考えた後に思いました。これって中学生が「森鴎外より吉川英治や柴田練三郎の方が読みやすい」って言っているようなものかしら? それだったら、まぁ、わからないでもないかなぁと。私も「眠狂四郎」を初めて読んだのは中学2年の時のことでしたし。
ホーンブロワー・シリーズ(C.S.フォレスター著)は日本ではハヤカワ文庫から、シャープ・シリーズ(バーナード・コーンウェル著)は光人社から、それぞれ出版されています。
2003年11月14日(金)
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