umityanの日記
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| 2009年02月19日(木) |
久々の都会 NO.2 |
冷たい雨が午後から降り出した。こんな日は開店休業だ。先日の支部同窓会の後編を書くには丁度良い。かっての記憶を頼りに僕はてくてく歩き、駅を後にした。都会では誰一人、知り合いと出くわすことはない。気楽と言えば気楽だ。
ただ、気楽なのは良いが、すれ違う人たちは皆、僕を避けるように通り過ぎていく。さもありなん。僕の出で立ちは、黒ずくめスーツに、黒のハットに、黒のシューズ、黒の手提げカバン。おまけに足が短い。まさに、「笑うセールスマン、喪黒福造」だ。こんなアウトロースタイルを、「決まっている」と思っているこの僕も相当におめでた者だ。
道すがら、ホテルの玄関を掃除している、おじさんに会場を尋ねると、もう、目と鼻の先ということ。「早すぎたか?」と思ったが、遅れるよりはましだろう。会場に着いた。開演までにはまだ1時間以上ある。ロビーの喫茶室でホットレモンを注文。ロビーへの出入り客達を眺めていると、同級生の一人である画家がやってきた。昨年の同窓会も一緒だった。喫茶室でしばらく談笑した。彼は長男と言うこともあり、故郷に残した母親の介護等で、年に数回、本拠地である関東と故郷を行き来している。この同窓会の後、本拠地へ帰るらしい。
彼は売れない画家、僕は売れない事業家。双方に自由業だ。「食えて、少々、酒が飲めれば自由業が一番だぜ」と、僕たちは笑いあった。「ところで」と、彼は絵の話しをもちかけた。僕に買ってもらいたい絵があるという。以前、僕も見たことがある絵らしい。なんでも、絵に登場している人物が僕に似ていると、彼は言う。そう言えば、その絵を見たとき、「僕に似ているじゃん」と、言ったような記憶がある。今は、借り倉庫のなかで静かに眠っているそうな。
「いくらだい?」と聞くと、30万円という。「えええっっつ、そんなにするの。20万円以下だったら買わないこともないけどね====」と言うと、「それなら売らない」と言う。さもありなん。魂を込めた作品を安売りは出来ないだろう。「鳴くまで待とうホトトギス」ではないが、何かの記念に彼が「ろは」で差し出すまで待つことにしよう。宝くじでも当たれば、そく購入するんだが・・・・。
定刻となり、僕たちは卒業年度ごとに設営された丸テーブルに陣取った。総勢100数名中、同級生は10名ばかり来ていた。談笑していると、毎年司会をやっている同級生が僕の所へやってきた。何かと思えば、先故者の黙祷の弁を僕に述べて欲しいと言う。「えええつ、又あー・・」と、僕は苦笑いした。というのも、昨年あった同窓会でも、黙祷の弁を述べたからである。
僕は壇上にあがった。こう述べた。「こんにちは。僕はどこどこで、何々をやっている○○といいます。本日は司会の方から、黙祷の弁を述べて欲しいとの依頼がありましてお引き受けしました。先輩諸氏を前にして、僭越ではございますが務めさせていただきます。宜しくお願いします。黙祷・・・・・・・。」。数秒間の空白の時間が流れた。僕は頃合いを見計らって「やめ。有り難うございました」と告げた。壇上を降りて席へ戻った。
画家が言った。「今日はよかったよ」と。実は、昨年の黙祷の時は「やめ」という言葉に力が入りすぎて、かなり大きな声だったらしい。今日はその言葉を抑えて言えよ」と、注意を促されていた。やれやれだ。僕はこんな会に出席のたびに「黙祷」をやらされるのかなーーー。まるで「黙祷おじさんだぜ」と、苦笑したことだ。
余興には、今時珍しい「チンドン屋さん」が招待されていた。はでな出で立ちで、腰振り振り、「チン…ドン…ピーヒャラやー」と、席の周りを巡回した。昔は、店の開店披露でアーケード街を巡回している姿を見たことがあったが、この場での実演は、面白くもあり、少々面食らった。ほほ三時間の同窓会は幕を閉じた。焼酎で舌鼓を打ったが、酩酊するまでには至らず。ここで酩酊しちゃあ・・先がない。
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