埃まみれのノートブック
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2004年12月29日(水) 雪道の26分間

雪が降り、今年最後の通院はタクシーと電車を使って終了した。
先生の言葉が心に沁みる。
今年もお世話になりました。
来年も宜しくお願いいたします。

帰りの電車を降りる頃、携帯が鳴った。
電車の中だったので出られず、
降りてすぐ伝言を聞いたら、
10日程前から連絡が取れなくなっていた
大切な友達からだった。

ODをしてしまった、とメールが来て以来
音信不通になっていたので、すごくすごく心配だった。

慌てて掛けなおす。
すぐに彼女が出た。
弱々しい声で、精神科に強引に入院させられたこと、
四日間も手足を拘束されて動けなかったこと、
そしてまだ入院中でたったの二時間だけの外出許可が出て
今、私に電話してくれたこと、
話せるだけの状況を彼女は泣きながら話してくれた。
あまりのことに、私まで涙が出た。
雪道を涙ぐみながら歩いた。

病院に戻りたくないと泣きながら彼女は言った。
そうだよね。入院でよくなるとは限らないんだ。
却ってそんな酷い病院なら悪化する事だってあるんだ。
彼女もそう言っていた。

何なのか名前も分からない薬を与えられ
更に不安になり、しかも外界との接触は一切させてもらえないらしく
電話も手紙もメールもダメで窓もなくて外の景色も何も見えない、
そして奇声を上げる人やずっと独り言を言っている人もいて、
そういう環境の中で余計に辛くて限界だと。

なのに彼女の家族は、病院に任せればいいと思っているらしく
彼女が入院を嫌がっているにも関わらず
強引に連れて行こうとするらしい。

誰も分かってくれる人がいない、と彼女は泣いた。

なにもできなくてごめんね、なにもできなくてごめんね、と
私は雪道を歩きながら言った。

そろそろ家に近付いてきた頃、
もう病院に戻らなきゃいけない時間になってしまった、
と、彼女との会話が終わった。

泣きたくなった。
なんでそんなにも辛い思いをしないとならないんだろう。
近くに住んでいられたら。遠くで力になれずごめんね。


家に着いたら、彼女からメールが届いた。
「お父さんが私を紐で縛って病院に連れて行こうとする、怖い」って。

背筋が凍りついた。

彼女の幸せをただ願うしかない。
お願いだから生きていて。
辛すぎる現実だけど生きていて。
また電話するから。早く退院出来ますように。


Ira

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