日本語ぐるりっと便り

2007年02月07日(水) Sちゃんからのお礼

 I小学校への派遣指導が終わりました。
今回も、安心してひとり立ちを見送ることができました。日本に来て約半年、小二のSちゃんは、生き生きと学校生活を謳歌しています。
 最初はとても不安そうで、家庭の事情でお母さんと離れて暮らしていた長い歳月を埋めるのは、とても容易なこととは思えませんでした。
ところが、子どもがもっている「未来へのエネルギ-」は、驚くべき速度で新しい状況を「生成」していきました。
 Sちゃんは、もしかしたら特に適応力がある子だったのかもしれません。いずれにせよ、教室に来て、みるみる元気で明るくなって行く様子、学校へ通うようになってからも、ちょっとしたいざこざも経験しながら仲の良いお友達ができていく様子を、これまで他の子にも見てきた様に、今回も見守ることができました。
 子どものやり場のない不安定な様子を見るのは心が痛みます。眠っている「自分のためのエネルギー」が早く発揮できればといつも願います。
 そんな私達に、今回Sちゃんは大きなふたつのことで応えてくれました。
来日してまだ半年なのに<日本語でスピーチ>に参加し、「日本の学校は大好きです!」と元気に発表したこと(このことで、全校生徒の前で校長先生から表彰されました!)。指導最後の日に、「先生、あとで見て!」と作文を書いた紙をニッコリ笑って渡してくれたこと。
 初めて書いた「運動会」の作文でしたが、「おかげさまで、私はここまでになりました!」と言っているようで、スピーチでの"ことば"も含めて、こんな配慮ができるSちゃんは、私達の心も見通せるのかもしれません。


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