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"MAMA"
最近、スパイス・ガールズの”MAMA”という曲だけを繰り返し聴いている。レンタルしたものなので、そして歌詞カード等がないので、どういう経歴のひとたちなのか、どういう内容を歌っているのか、よく知らないまま聞いている。
以前CATVで、適当に音楽番組を流していたとき、妙に耳に残った曲だった。綺麗な女の人たちが、「ママ、大好きよ」という意味のところで(さすがにそれくらいは聞き取れる)、客席にいる、自分の母親らしきひとに手を差し伸べる……みたいなプロモだったと思う。娘は父親に似るというけれど、それなりに母親にも似てるのだなぁ、と思いながら見ていた。なんという名前のひとたちで、なんという題名かはわからなかったのだが、いつかまた聞きたいな、とずっと思っていた。
わたしは現在、母の顔も見たくないし声も聞きたくないしメールすら読みたくないと思っている。わたしをほしくなかったのにおろさないでくれたこと、生みたくなかったのに産んでくれたこと、生まなければよかったと思いながらも殺さずに育ててくれたことには感謝しても。父でない男の人のところへ行くなら、それはわたしの知っている母でなく、よく知らないひとりの女の人の人生だ。ひとは日々変わっていく。やがて顔も声も思い出せなくなるだろう。そういう人間が、こういう曲に惹かれるのも妙かもしれないけれど。
この世のどこかで、元気で無事でお幸せに(さすがに病気や怪我や不幸になってほしいとは思わないし思えない)。わたしと無関係に、いい人生をお送りください。
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