出発ロビーにはすでに各県からの人たちが集まっていた。
旅行会社の添乗員は私と同年代だが、ヨーロッパの渡航は200数十回を数えるという。こういう仕事では、ほとんどがサラリーマンでいう出張という日々を過ごすことになるのだろう。 まあ、好きでやる仕事であれば、どんな環境であろうが関係ないのが人間というものだ。
集合時刻になると全員が集まった。いろいろと注意事項を聞きながら、遠いヨーロッパのガイドブックで見た情景を頭に思い描いていた。 ふと現実に戻ると、さっそくお金をユーロに換金しなければいけない。皆がトイレ休憩の間に、同じフロアにある泉州銀行に行った。 すでに電話で換金する旨を連絡していたので、多くの行列をすり抜けて真っ先に済ませることができた。 これらは、事務局のMさんの事前情報のおかげである。
こうして一連の事務が終わると、いよいよ登場受付の時刻となった。
〜つづく〜
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