I'm so happy, cos you're so happy.
FKM crew



 霧の街の鬼ごっこ

すっかり忘れていたはずのものを、突然ふっと思い出して、しばらくそれが頭から離れなくなる、というご経験はどなたもお持ちかと思いますが(お持ちでない?)。

最近わたしが取り憑かれたのが「スコットランドヤード」というボードゲーム。昔かなり遊んだゲームなのですが、なんだかまた唐突に、無性に、やりたくなってしまったんですね。

有名なゲームなのでご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、ひとりが犯人(怪盗X)、あとの5人が刑事になって、ロンドン市街を舞台に「鬼ごっこ」をするゲームです。6人で遊ぶのがベストですが、2人でも大丈夫。

ルールもほんとに簡単なのですが、たったひとつの事情がこの「鬼ごっこ」をちょっと独特なものにしています。それは、逃げる犯人の居場所が伏せられているということ。刑事たちは、わずかな手掛り(犯人が逃走に使用した交通手段のチケット)をもとに、「透明な」犯人を追い詰めていかなければなりません。

犯人役はもちろん自分の居場所を知っていますが、ゲーム盤をみつめる目線で所在を悟られないよう、紙でできたバイザーを目深にかぶります。てゆーか、大抵の猛者は、このバイザーを被りたくて犯人役をやります。決めなくてもいいのに自分で罪状を決めちゃったりなんかして、いそいそと逃げ回ります。

刑事たちは連携して網を張らなければ犯人を追い詰められませんから、現実の捜査よろしく作戦会議を開きます。犯人は横でそれを聞きながら、ヒヤヒヤ、ぷぷぷ、と(ひっそり孤独に)一喜一憂するわけです。刑事役が好きな人もいますけど、やっぱり犯人役が楽しいゲームです。

そんなことを思い出したらもう、やりたくてたまんなくなっちゃいまして、手近なところを探してみたら、ちょうど誕生20周年記念(1982年のドイツゲーム大賞を受賞してます)のスペシャル・ボックスが売られていました。何がスペシャルかって、紙バイザーの代わりに、布製の立派な帽子がついてました。ぶらぼー!

近いうちに拙宅に遊びに来てくれた方は、もれなく霧の街での捕物劇に参加させられることになるでしょう。

実はもうひとつ取り憑かれているものがあるのですが、それについてはまた。

(よ)

2004年02月15日(日)
初日 最新 目次 HOME