ゆかた - 2004年07月16日(金) 「ねえ、今日なんで浴衣着てるおねえさんが多いの?」 ―そうだよね、なんでだろうね。わかんないや。 「夏って感じだよな」 ―そうだね。去年はユウちゃんと浴衣着て、花火見に行ったんだよ。 七夕のじゃなくて、その後の別の花火。 いいでしょ。今年も行きたいなあ。 「…おまえ、浴衣自分で着られるのか?」 ―ひどいなあ、一人で着られるよ。 浴衣姿見せてあげたいねえ。 このあと、笑いながら無言で頭をなでられました。 わたしね、成人式のとき着物買わなかったの。 式も出るつもりなかったし、それなのにあんな高いもの買っても、きっと着ないからって。 あのね、自分以外の人に着せられる着物って本当に苦しいから、嫌いなの。 だけど、浴衣は大好きなの。 だって、ちょっと練習すれば、すぐに自分で着られるようになるから。 でも去年は、帯の結び方がわからなくて、既製品の、結び目が出来上がってる帯、あるじゃない?あれで出掛けたんだ。 うん、ちょっと悔しかったけどね。 でね、この間ね、雑誌に載ってるの見て、結んでみたの。 案外簡単に結べるんだよ。 もうちょっと練習したら、きれいに結べるようになりそうなの。 見せたいなあ。 あのね、わたしの浴衣ね、おばあちゃんが縫ってくれたんだよ。 小さいわたしの体に合わせて、きちんと手で縫ってくれたの。 幅も丈も、わたしに合わせて小さく出来てるんだよ。すごいよね。 既製品の浴衣買って着てみたら、なんか大きくて着づらくってさ、びっくりしたけど、違うよね、わたしが普通より小さいんだよね。 浴衣も小さく作るんだって、そのとき初めてわかったよ。 おばあちゃんがもっと元気だったら、もう一枚くらい…そうだなあ、もっと大人っぽい柄の浴衣を、お願いしたいのにな。 こういうことって、どうして、後から思いつくんだろうね。 もう少し大人になって、自分のお金でいろいろ買えるようになったら、 自分に似合う柄の浴衣の生地を買って、きちんと仕立ててもらって、 いっぱい着るんだ… -
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