「愛して くれてる あなたが 決めるの?」

わたしは本質に忠実であろうとし、その人は理性に忠実であろうとする。わたしたちは互いのその部分を時々褒め合い、時々蔑む。どうしても頑丈にしなければならなかった殻。合わせる事が出来ても、結局は心に入れる事が出来ない。生きてきた道がそういうあなたを作ってしまったのね。可哀想なひと、と思う。それと同じものが自分にもあると知っていながら。

大切に積み重ねたものも、言葉ひとつで簡単に崩せるもの。何時もわたしからなにかを壊そうとするのは、それでも崩せないものが此処にあると今更教えてもらいたいだけ。覚悟もないのに、とか、無駄な、とその度呆れているけれど、わたしはあなたほど大人ではないんです。

時々どうしようもない愛しさを感じさせてくれて、時々どうしようもない孤独を感じさせてくれる。何年経ってもどんな関係になっても、境界線を引き続けるわたしたち。酷似していて、全くの異質。誰よりもたぶん深く解り合えて、誰よりもたぶん激しく憎み合える。それはわたしたちがわたしたち以外のなにものにもなれないからなのね。


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