「ヒトの裏側」

それをいつも最後に見てしまうのはきっと、きみもわたしも在るべき境界線をぶち壊してしまいその上、距離感がわからず素手で触ろうとしてしまうからだ。

信用していたり好きだった人を嫌う時って一方的のような気もするけど実は自分の心も同じくらい引っ掻いているよ。だから血が流れる。仲良しだった分、痛いね。

ひとたび愛を抱けば残らず理解したいと思う。全ては無理だから出来る限り。自分の大切にしまってある部分とリンクする魂を熱心に捜してしまうあまり、深く深く関わってしまう。そうしているうちに決定的なずれが生じ、良かれ悪かれ誰も知らないその人の裏を見てしまう。ああ、でも裏の顔なんて言ってもそれがその人にとってもしかしたら核なのかも知れないし。ただこちらが知らなかっただけで、都合良く勝手に「裏」なんて決めたのかも。

愛って異性同姓関係無くあるもので、種類にしても多種多様。でもそれは少なくとも、無理矢理自分の基準に押し込めようとするのとは違うと思う。人間は別物。似ていても同じではない。でも理解は出来る。

鈍感なフリをして飲み込むものがどんなに苦くて熱いものなのか、わたしもよく知っているよ。傷付くけど怖がる必要は無いのだと思う。一人でも着飾らない自分を愛し、理解してくれる人が居れば、傷は必ず快愎するから。


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