徒然エッセイ&観劇記
エッセイ目次


2004年01月04日(日) いいぢゃん!日本映画 2

☆日本映画、バンザーイ!!!

「動乱」1978年(東映)
主演:高倉健 吉永小百合

自分は、1979年生まれであります!
つまり、当映画公開時、自分は未だ生まれていないのであります!
23年、たかが23年、されど23年、我が日本映画の変節たるや、真に残念なものと思わざるおえません!

のへ二等兵は映画を見終えた後、天に向かいかくの如く叫んだという。
何故なら、23年前のこの映画には、現在ほぼ消え去りつつある日本国民の伝統が未だ生き存えていたからである。
美しい風景、日本家屋、和服、正しい日本語、わび、さび。
そして映画全体を、一本の太い何かが貫いている。それは何か。
それは、日本人がまさに失おうとしている、精神の支柱。
凛凛しさ。気高さ。誇るべき自尊心。
嗚呼、日本は、何故それらをいとも容易く手放してしまったのか。
その変節は、現在の映画たち、映像も、内容も、精神もアメリカナイズされた日本映画にも現れている。
23年前、日本映画がどうであったか、今一度振り返ってみるべきであろう。

<街頭インタビュー>
感動した!
吉永小百合が素晴らしい!
なんという美しさ。幕切れに海辺を歩いている姿の神々しさ。
今日からサユリストです☆


第一部は「海峡を渡る愛」
昭和7年、戦争中、色々あって、高倉健と吉永小百合が結ばれる物語です。
第二部は「雪降り止まず」
昭和10年、2月26日付近を描いています。なんと高倉健は「2・26事件」首謀者の一人、真崎大佐だったのです。
死刑に処せられる前、妻小百合さんと最後の面会。ああ、思い出すだけで瞼が熱くなります。


かっこいい!兵隊がっ。
あの、右手を上げて頭の上にやって三角を作る仕草、いいよねぇぇ
今時、制服にアレは、鉄道員くらいにしか残っていないんじゃないかしら。
胸を張って!背筋を伸ばす!日本男児はこうでなきゃぁぁ
そして、いいんだなあ、正しすぎる日本語がっ。
上官には、絶対服従、半ば宣言するように叫ぶ口調。
夫婦の間でさえ、敬語。
この、人間同士の距離間が、またもどかしくていいんだわ。
上官は上官であり、下々とは「地位」が違う世界。年少は年長を敬い、そして年長にはそれに見合うだけのものがあった。
立場をわきまえ、分をわきまえ、自らを律する者は皆美しい。

男が男であり、女が女であった時代。
男女同権の世の中に生まれたから、んなこといえるのかもしれないけど、
男は男らしく雄雄しく逞しく、女は女らしくたおやかで美しい・・・そんな世界もいいぞ。これぞ理想の住み分けじゃ。
何より姿が美しい。ただ生きる姿の美しさ。
日本人が失って久しいものじゃのぅ。

最近の映画はさぁ、見てて疲れるよね。やたら画面が切り替わって、何かっていうと大写しにして。
ダメダメ、そんなんじゃ。伝わるモンも伝わらないよ。
画面の中で叙情を表すにはどうしたらいい?
ただ、カメラを静止させて、役者をとればいい。
役者は、役として、台詞を喋り、間を取り、些細な仕草、表情で全てを語るだろう。
間。そう、何故この「時」を映さなくなったのだ。矢継ぎ早に、何でも話して説明すりゃいいってもんじゃない。
観客はそんなに馬鹿じゃないのだ。死ぬ場面がなくとも、死んだことは分かる。
むやみに泣かなくとも、哀しいのも分かる。
愛を語らずとも、愛を描くことはできる。
最近の映画ったら、説明過多。内容過多。コテコテのギトギト。
もう一度、原点に返ってみたらどうだい?

とりあえず、この映画を見るべし!!
輝ける日本映画を知らぬ、20才未満は特に。

日本映画、バンザーイ!!!

☆映画の秋

というわけで、秋は映画に萌えよう!(日本映画限定)
とりあえず見たいかなぁという作は

「Dolls」
http://office-kitano.co.jp/dolls/

「狂気の桜」
http://www.toei.co.jp/kyokinosakura/

「宣戦布告」
http://www.zakzak.co.jp/geino/n-2002_09/g2002090606.html

いやぁ、どれもこれも日本色が濃厚な作品で(笑
10月は「MOZART!」月間でもあるというのに・・頑張って見るぞー!!


さてこちらはアメ版「千と千尋の神隠し」公式サイトです。
http://bventertainment.go.com/movies/spiritedaway/index.html

「千」の文字に赤い丸。かなり日本色が貫かれておりやす。
予告編でこれみよがしに「勇気」「決断」「忠誠」という文字がばばーんと入って愉快愉快。そうさ、漢字はかっこいいぞ!!
海外に輸出したTVアニメでは当然の如くヤラれる、多々改造省略もない。ジブリ偉いぞ〜!
☆ザッツ日本映画オブ日本映画!!

「つる 鶴」昭和63年 吉永小百合100本記念作品(東宝)

出演:吉永小百合(つる)野田秀樹(ダンナ)樹木希林(その母)川谷祐三(隣りのオヤジ)菅原文太(村の長老)岸田今日子(その奥方)
監督:市川崑

言わずと知れた「鶴の恩返し」映画版です。んでも最近の若いのは日本昔話知らないとか言うからなぁー。小学生に授業で見せたらどうなんだとか思いながら見てました。ここでこういう解説入れて・・とか(例えば「この役の人は、千と千尋〜で釜爺やってたねー」)。あたしゃ教師か!!て昨日は家庭教師先で「いかに漢字というものが格好いいか」を力説して来ましたが。
そおいや彼(中一)の教科書には古文「竹取物語」が載っておりましただ。ええことだに。
私が習った教科書では、何年生のだか分かりませんが戯曲版「つう」の脚本が載っていました。さて久しぶりに触れたこの物語。
動物が人間に変身する。恩は何らかの形で必ず返す。
欲に目が眩むとヒドイ目に合う。清貧が一番。
約束を破ると罰が下る。という極めて日本的なお話+そこはかとない純愛。

とにかくこれぞ日本映画中の日本映画。物語、舞台、言語、人物、撮影法、演出照明、まさにジャパーン!!ですわ。
市川監督作は「金田一耕介」シリーズで何作か見させられました。兄がファンなもので。
んんー暗い。内容でなく照明がね。まぁ、昔の農村を舞台にしてて、ギンギラギンに輝いてたらヘン!!なわけで、舞台が暗いのは当然。良い暗さっす。
しかし山々の積雪の風景なぞは容赦なく自然。美しゅうござるよ。同時に過酷。そして小作人はビンボー(笑
野田秀樹殿は、挙動不審っぷりと高音な訛りがリアルに小作人でした。その他、脇を固める名優達も流石です。
そしてそして、やはしメインは小百合ちゃん!!!!!!
ああ、鶴だよぅぅぅ。鶴役やって全く違和感がないだなんて、奇跡奇跡!!
てゆーかお前実は鶴だろ!!!

というぐらい美しゅうございました。オヤジくさい言い方をすると、存在自体「詩」のような方です。
動き、佇まい、表情、全てにおいて美しい・・・人間国宝決定。

私、珍しく昔話を見て泣いてしまいました。鶴が最後にバサーーっと飛んで行っちゃうところ・・・これってこんなに切ないシーンだったのですね。
鶴さーーーーーー!!!!帰って来てくんろーーーーー!!!!鶴さーーーーーーー!!!!!
そして鶴は一声、鳴き声を返すのだ。うわぁん。
あれは吉永小百合!!小百合ーー!!行かないでぇぇぇ!!(前後不覚)

日本昔話を激しく復刻させたい気分になりました。
世のお母様、子供さんには日本昔話を!絵本を!アニメを!映画を!
ここで絶やしてなるものか。よろしくお願いしますっ(礼)

☆わぁい

三連休乾杯。昭和55年製松本清張ビデオ「わるいやつら」を見る。犯罪ガンガン起こしてみんな不幸になる話。うひょー。しかしこの頃のドラマは風景・人物・台詞・台本、総じて今と随分違ってて面白いです。物珍しさいっぱい。緒方拳の刑事がかっちょよかった。
祖母が「何でこんな古くさいビデヲ見ているのかしら?」という目で見ていた。わてらの世代から見ると、古いものは新鮮なのでふよ。カモン、リバイバル!!

HPを見ていて、ある特定の文章に不快感をもよおしてしまった。一瞬、生きる気力を無くした。見なきゃ良かった、もう見ない・・・と思いつつまた見る。
冷静に考えて見ると、確かに未来は暗い・・んだけどね・・・・・・そんなこと考えてたってどうにもしょうがないし。これしかやりようがなかったんだし。やろうとしなかったのかもしれないけど。ああー
役立たずな俺さ。

夜は80年代の角川映画「里見八犬伝」を見た。私には80年代もちょい新鮮。小学生だったし、TVと言えば兄が見てた「とんねるずのみなさんのおかげです」くらいしか記憶にない。
随分とアニメ漫画っぽい話だった。色々と「ふしぎ遊戯」に似てる。うーん、アニメ的話はアニメなら通用するけど、実写にすると一気に嘘っぽくなるなぁ。いかにも作り物の大蛇がガンガン飛んで襲ってくるとギャグになっちゃうし(それとも笑いを狙ってるのか?)
一応時代劇つーか明らかに日本を舞台にしているのに、何故英語の歌が主題歌なのかすんごい謎だ。あまりにも普通の歌だし。それだったら♪里見〜八犬伝〜♪とか連呼するテーマソングでも作りゃよかったに。それじゃギャグになりすぎか。
真田広之、タフでかっちょええなー。和服の裾から覗く、ムキっとした太股に惹かれました(きゃ)
夏木マリの生おっぱいも見ちゃった。カッコいいなぁ、マリさんの低音声。
薬師丸ひろ子ヒロインちゃんは、ばんばん走って汚れてチューして頑張っていた。

明日は「203高地」を予定しております。3時間・・・長っ!

☆もう終わりか

三連休。朝、東映映画「天国の駅」を見る。吉永小百合しゃんの濡れ場・・・じゃなくて(げふげふ)昭和40年代を舞台にした日本映画爆発でした。小百合しゃんがその美しさと優しさゆえにしょーもない男に惚れられてすったもんだの挙句殺しに関わってしまい、結果「死刑!」というやりきれないお話っす。
最後に挙動不審純愛男、西田敏行(上手い!)と雪山を逃避行。やっと辿り着いた小さな駅で「切符二枚下さい・・」すると警察官がわらわらと!
警察(丹波哲郎)「一体どこへ行こうとお考えで?」
小百合「・・・天国へ」
何故この人が死刑に??死刑ならあいつだろーー!!と理不尽な気分になる映画です。(一応実話を元にした話なので)

漫画「神罰」田中圭一。カラっとお下品ギャグ。もはやお下品過ぎ(笑
漫画「漫歌」相原コージ。ますます鬱になってゆくコージギャグ。コージ、頑張れ・・・
「クレヨンしんちゃん」漫画版。をを!アニメと大差ないのねっ(←当たり前)

祖母に頼んで、着物を着せて頂く。着ただけでウキウキ、嬉しくなった。腹周りは帯でキツイけど。。
試し着なのですぐ脱いだ。今度はお外で着たいナァ。さしあたっては、観劇日?

夜は「二百三高地」を見て、「うわぁぁすげーー」と圧倒。続編「大日本帝國」も是非見たい。

☆深作欣ニ監督ブラボー!!

「華の乱」昭和63年公開
監督:深作欣ニ
出演:吉永小百合 松田優作 松坂慶子 他

与謝野晶子が菊地寛と結婚してたなんて知らなんだ。
日本文学オンチなわたくしです(恥)
ほぼ史実の通りに(?)与謝野晶子を主役に据えて、周囲の人々とのエピソードを繋ぐ作品。
と聞いて「地味なのかな」と思いきやなんのその。
深作ブラボーーーー!!素晴らしかったっす。

何故じゃ。深作さん監督作は泣けるのに笑えるのだ。じぃんとするのに全体がカラっと爽やかなのだ。
すごい長回しとかあるのに退屈しないのだ。摩訶不思議、フィルムの魔術〜!!

吉永=与謝野晶子はそのまんまだった(ていうか吉永さんは何やっても吉永さん。。大物の証拠か)
松田優作=有島武夫(←字に間違いあり?)痩せてて、メガネで、生気が無くて、文学者っぽかった。元気にヤンキー松田優作イメージじゃなかったす。ガンの前兆?
松坂慶子=帝国劇場の看板女優 好きな人が死んじゃったあと、もの凄い一人芝居があった。泣きながらとり乱れる様に「蒲田行進曲」がオーバーラップした(笑

その他、着物の似合う素敵俳優・女優様。ああ、明治大正昭和素敵。(実際住んでたら大変だろうけど)話言葉。仕草。礼儀作法。日本、日本、日本。
洋服を着ている一部インテリたちがものすごく浮いて見える世界。
今や洋服=服、であって、着物を着ている人の方が浮くようになったしもた。隔世の感あり。

ええと、話の内容については、見てねということで(略)
やっぱりええなぁ〜一昔前の日本映画。今じゃ同じようなの作れったってムリやろなぁ。

でも、将来どん底な世界が訪れた時、未来の人間は今の時代を「あの頃はTVも映画もお気楽で明るくて良かったなぁ」なんて振り返るんかのう。とふと思う。

何にせよ、いい映画はイイ!!
深作さん、今後とも仁義なき戦いを勝ち抜くが如く、しぶとく生き残ってね☆

☆「ピンポン」

日本映画はここから始まるんだそうだ(雑誌の受けうり)
前評判上々、若者が長蛇の列。
ん〜思ったほどトンでない、王道派スポコン映画でした。
宮藤官九郎ぽいセリフ。つか今風。あー今の中高生ってこのノリなんだよなぁ〜と私塾の生徒の顔を思い浮かべつつ。
学生見てんだから、かっこ良さげに煙草吸うなよ。とPTAのようなことを思ってみる。
「そこんとこヨロシク!!」←ペコ
てゆーか窪塚君て足短いよね。アッ、間違えた。足細いよね。めんごめんご。

キャラ激ハマリ。松本大洋の原作漫画読んでないけど。
「笑止!!」全然オッケー。だって大人計画とか、ナイロンとか、下北劇団が出てんじゃん。
宮藤だけに、大人テイスト(軽風味)大人計画は男子を描くのが上手い、ナイロンは女子。だからピンポンの女子はかなりおざなり。ぶー。
まぁいいか。大人と子供は分かり合えたし、友情も芽生えたし、ヒーローはやってきたし(マライア・キャリー元気?)
夏木マリ渋くて素敵よ。千尋の湯ばばぁだ〜ってずっと思ってた。竹中直人もなさけなオヤジグーよ。でも英語連発すな(そういうキャラだってば)

卓球シーンカッコよかったよ。今まで「暗い」代名詞な非体育界系イメージだったけど、もうそんなんなしね。この前もシンクロ男子がブレイクしたしね!若いモンはスポーツに燃えるが良し!!
音楽のテクノがピンポンのリズムに非常にクロスしててね。卓球やりたくなったよ!(実はうちには卓球台がある←畳みっぱなし)
そういえば中学の時、卓球部の男子を好きになって、チョコ渡したよ。ふられた☆

残ったセリフ。
アクマ「凡人にしか見えねぇ世界があるんだよ」うろ覚え。
ドラゴン「(軍隊的渋調)」すべて。いいなぁぁ。笑止!笑止!!
あとチャイナはやっぱりプライド高くて唯我独尊。10億もいるからなぁ・・・

風景が全部日本なのが嬉しいんだよ。
とりあえず、日本映画ぎゃんばれ。応援してやる。

公式はこちら→http://www.pingpong-movie.com/



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