蕩尽日記...OG-Love

 

 

モーヲタ越前 - 2004年03月28日(日)

一通の写メールがきっかけで、旅心がそぞろに掻き立てられることもあったりするのは、季節が春だから。

前日に、京都駅前のトーカイにて「18きっぷ」の(定価+100円)×2日分を、首尾良く購入できたので(梅田近辺でさんざん探し回ったけれど、定価+700円くらいが相場だった)、絶品のカツ丼と福井銘菓『五月ヶ瀬』にさそわれて、北陸路へ。

昨夏に探訪した折は、運行休止状態だった「えちぜん鉄道」に乗ってみよう、ってテーマも交差させて、始発から普通列車を東海道線・北陸本線と乗り継いで、福井へ。

JR福井駅に隣接するえちぜん鉄道・福井駅で、乗降自由の「1日フリーきっぷ」(800円)ってのがあったんで、それを利用して、えちぜん鉄道・三国芦原線の「三国港」ゆき二両編成ワンマンカーに乗車。この路線は、かの春江町を通過しており、同町内に「西春江」「太郎丸」の二駅が設置されている。

福井市街地を抜け出ると、広大な坂井平野の田園風景がひたすら車窓を占める。
日曜の朝だからなのか、車内に乗客はほんの数人で、停車する駅であらたに乗り込んでくるような人もいない。

とりあえず、まだ午前九時を回るかくらいの時刻だったので、途中の「西春江」駅は感慨深く見送りながらスルーして、「あわら湯のまち」まで乗車。
芦原温泉の公共浴場「セントピアあわら」で湯につかる。聖地へ足を踏み入れるための湯垢離。

ふたたび駅に戻り、十一時前の「福井」ゆきに一両編成に乗車。
この列車には「アテンダント」ってゆう、女車掌が同乗してた。(ちなみに、僕の祖母の戦時中の若かりし頃の職業でもある)
で、そのお嬢さんがアナウンスだとか、もう莫迦丁寧。僕の急所を突く「困り笑顔」系の可憐な福井小町だった。下りの列車と違って、それなりに客も乗ってたんだけれど、もう殆ど全員の乗客が自ずと彼女の一挙手一投足に注視していて、そのやおらな挙動のたびごとに「ほのぼのさせられてる」って溜息のような空気が、揺れる箱の中一杯に溢れかえっていたよ。あの、近所のパン屋のおねえさん的憧憬。
愛ちゃんにもひょっとすると、あんなふうにぴりっと小綺麗な制服着て「ご乗車ありがとうございます♪」なぁんて、アコム嬢なんかの数百倍も素晴らしい笑顔でお辞儀したりしていたローカル人生もあったのかも知れないな、などと実に余計な想像を膨らます。

そんなこんなで、降りてしまうのがすげぇ勿体ない気持ちだったけれど、まぁ、これも一期一会と「西春江」で下車。僕の他に降りる人はいない。
駅前(無人駅)では、何故かトラッキー(推定)の張りボテがお出迎え。
この道を左手に進んでゆけば、春江中学の前を通るはず。ステキな陽気に歩みも弾む。こぢんまりした住宅地を抜け出ると、広々とした田圃の中に、煉瓦のような丹色に染まった春中の校舎が見えてくる。

僕は気付いたら道をそれていて、そのまま行けば正門の前を通る筈のところを、校庭の側に廻っていた。誰もいないグラウンドにサッカーボールひとつ。
日曜だけあって、閑か。
平日に来なくて良かった(いろんな意味で)、と思った。正門側に廻ってみると、校歌の碑があって、その歌詞が「民主日本」だとか、なかなかに味わいのあるものだった。

いい案配に午時となったので、ヨーロッパ軒・春江分店の暖簾をくぐる。
もっとファミレス風の大っきなお店かと思ってたけれど、そのまんま、街の洋食屋さんって雰囲気の店だった。
「カツ丼セット」(¥1070税込)を注文する。
なんか、食べるのにいろいろ作法があった気がしたけれど、よく分からないから、そのまま食べた。もはや、味なんてわからない。たぶん、美味かったんだろう。

会計時に、レジのおねえさんに「愛ちゃんファンはよく来ますか?」なんて訊いてみる。
「福井でコンサートがあったときには、愛ちゃんのファンの人で一杯になりましたよ〜」とのお返事。いとも容易に想像できる(したくない)光景だなぁ。

つづいて福井空港前の、五月ヶ瀬・春江工場へ。
名代の手焼き煎餅の折詰(17袋入り。¥2300税別)を購入。型焼きの丸く平たい形の煎餅。米ではなくって、たぶん小麦粉がベースなんだろうけど、かなり硬い。

その後は、愛ちゃんがオーディション応募用紙を「締切前日に速達で」発送した・・のかもしれない郵便局を見たり、アルプラザのCDコーナーを覗いてみたりする。
僕が勝手に想像してるほどに平坦では無いにしても、おおよその部分ではごくありふれた暮らし、ってのをここで送っているのであろう人たちのその姿が、いちいち不思議になる。この人たちは、どこかで、愛ちゃんに繋がる地平に立っているわけだから。

一時半の列車で、「西春江」から「福井」に戻る。




五時過ぎに京都着。
六時からバイト先の飲み会。・・・無茶だよ。


末筆ながら、今回の春江紀行のきっかけを与えて下さったベルヘル様に感謝申し上げます。



「ラジオドラマVol.3 パート1」写真(3/26発売分)、購入。
ハードタイプトレーディングカード開封結果
あやや(30)





...



 

 

 

 


INDEX
past  will

励ましのおたより