2002年11月25日(月) |
長いけれど読んでほしい。 |
現在午後23時47分、 頭が多少混乱している、 こんな事をネット上で書く必要もないし、べきではない、のかも知れない、 別に誰かが死んだとか生まれたとかいう事でもない、
今日放課後、同じ地元に住む友達が働くバーに行った。 同じバイトの面接、という事で店に遊びにいったが、それは口実で、 (まんざら働くつもりが無い訳ではないものの)、ほとんどそいつと話す為だけに行った。
そいつとは1年前、FtMだ、という事で知り合った。 でも仲良くなっていく中で、いろいろお互い知り合って、そいつは別にFtMではなかったと言う。女として彼氏もいる。でも別にそんな事はどうでもいい。
上手く書けない。
まず最初に言いたいのは、そいつが何であろうと僕がそいつが好きだ(友達として)。 だから仲良くしてもらっているし、よく遊ぶ。 (そいつに限ったことでなく、周りに居る友達は皆、好きで必要だから友達だ)
ある日突然、そいつの、解離性同一性障害の診断書を見せてもらった。 (ここの日記にはセクシャリティの事を多く書くから、誤解の無いように書いておくが、性同一性障害ではない。解離性同一性障害だ。)
それからいろいろ本読んで、その、俗に「多重人格」というものを自分なりに知ろうと思った。
「自分の中の、Aという人格が、Bという人格が」とか言われても、全然信じられなかった。 「自分のアイデンティティが肉体の中で同一性をもたない」というココロのカゼ自体の存在を否定している訳ではもちろんなくて、 しょちゅう会ってる奴だけあって、本当に人格に亀裂が入っているとは正直思いがたかった。
一番最初に「そいつの事が好きだ」と書いたが、そう思うまで時間がかかった。 なぜなら、そういう風に心の障害を「装う」事で、他人の気を引きたいのか、と思っていたから。
本当かどうかは本人にしか分からないんだ!と言われればそうだし、 僕は勝手な事を言っているのも分かっている。
しかし本来なら、解離性障害の診断書なんてそう簡単に出るものではないはずだ。 もし某大学病院の精神科の医師が何の観察もケアもなく診断書を書いたなら、重大な責任を侵している。 なぜなら変な話、医師の診断さえあれば合法的に薬だってもらえるし、 他人にも社会にも信じてもらえるし、 逆説的に言えば、何よりも本人にとって、それがある種の絶対的アイデンティティになってしまう。
自分が自覚する症状や病気を、真剣に見つめて向き合って、 まわりに認めてもらう事はとても大切だけど、 そうして確立したIDに「満足」してしまって、実際的な目的(治そうという意思)がどこかに消えてしまう。
松葉杖を付いてみたい、とか、眼帯がカッコいい、 と言う無傷な人と、ある意味全く同じだと思っている。
名前や出身地を始めとして、「自分が〇〇である」という認識なんて、 隠したり忘れようとする人間なんてゴマンといるわけだし、 「自分が〇〇である」なんていう認識の殆どは下らないし、生きていれば揺らぐし、分からなくなる。
恋人と接するときと友達に接する時、態度が違うかもしれないし、 昨日言った事と今日言った事が食い違うことだって、ままある。 それが真実だ。それでいいんだ。 誰も「嘘をいっただろう」なんて責めやしないし、嫌いになんかなったりなんかしないんだよ・・・。
とにかく嘘であるとか本当であるとかはどうでもよくて、 とにかく何故そういう症状であれ言動であれが出るのか、 という原因は、それが「真性」であれ「擬似」であれ、 根底は全く同じものだと僕はそいつと付き合っていて、痛いほどよくわかったのだ。
親に愛されているという実感がない。 誰かに大切にされているという実感がない。 そういう事は大分前から聞いていたし、そいつの母親に会った時も、 何か、言葉ではいえない異様なものを感じた。
癒える事のない寂しさと空虚感。
一生忘れられないような厭な経験をした時、その痛みを感じまいとして、 「今これを経験しているのはジブンではない」と思い込み、 他人のように振舞う事によって、自己の根本的な同一性が失われてしまう、という事は腐るくらい本で読んだ。 それが本当なのか僕には分からないし、理解したような口はききたくない。
だけど、総ての心のカゼは、寂しさと虚しさのせい。
誰にだって、愛される権利があるし、 そうされる必要が「絶対に」必要なのだ。 そして他者からの攻撃を、他の人格のせいにしてはいけないのだ。 何人居ようと、痛みを「自分」のものとして受け入れる。 そうして生きているんだから。
・・・・・・・・という、きわめて勝手な意見を、今夜そいつ本人にちゃんと伝えた。 説教くさいし、もしかしたら的はずれなのかもしれない。
何度も言うが、僕はそいつのことが大切だ。
今の彼女が出来たのを最初に「よかったな」と言ってくれたのはそいつだし、 前に振られた時の最初に愚痴を聞いてくれたそいつだし、 鬱の事も薬の事も話せるのはそいつだし、 心の穴をカミングアウトしてくれたのはそいつだし、
???
とにかくそう書かずにはいられないほど、今夜友達であるそいつと話していい様のない涙が出てくる。 僕が泣いたってどうしようもならないのに、馬鹿だ。
一緒に居る時間をもっと割いて、「お前が必要なんだ」と伝えたいのは、 高校も中退して家を出て、辛いのを我慢して働く、そいつなのだ。
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