寝起きの電話には気をつけた方がいい。「講演をお願いしたいんですが。」ある日の朝、僕はそんな電話で起こされた。意識がまだ夢の中にあったのか、なんとなくOKを出してしまう。意識がハッキリしてくると、ちょいとばかり後悔の念が頭の中を駈けずり始めた。なにせ、講演なんてやったことがないのだ。それに、人前でしゃべるのはあまり得意な方ではない。理由は「アガル」からだ。僕という人間を知っている人の中には、「うそーっ」という人がいるかも知れないが、そんな人はきっと僕のことを誤解している。僕がしゃべりで得意としている人数は、せいぜい5〜6人のミーティングまで。それ以上は、アカン。 そんなワケであれよあれよという間に講演日になってしまった。タイトルは「心がワクワクすることを見つけよう」(どうしてこのタイトルになったのかは想像におまかせします)。依頼された時間は1時間。でもやっぱりもたんかったね。45分ぐらいだったかな。さて、ここでひとつの疑問。講演する人って原稿はきちんと書くのだろうか。うーん、僕は書けませんでした。一度、拝見したいものである。講演後、質問が3つほどあったので、まあ成功の部類ではあるまいか。 講演って何が難しいと思います?まあ、内容に関してはあたりまえなんだけど、それ以外では、水を飲むタイミング。なかなか間がとれないんだよね、これ。みなさんの視線が集中してるのがわかるし。えっ、僕はどうしたかって?咳払いをしながら「ちょっと失礼」なんて言いながら意外と堂々と飲んでたかな、はい。
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