二度目の恋。
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2005年12月04日(日) 「終わりに見た街」

昨日やってたドラマ「終わりに見た街」。
82年に一度放映されたもののリメイクです。現代の家族が太平洋戦争時の日本にタイムスリップし、そこでなんとか生き延びようと必死になってあれやこれやする、という話。子供たちが洗脳されて軍国少年になっちゃったり、東京大空襲の情報を事前に流して人びとを助けようとするんだけどうまくいかなかったり。82年の放映時に見まして(年齢ばれますが)、それはもう何日かうなされるぐらいのショックを受けた作品でした。ラストがえぐい。とにかくえぐい。当時まだ幼くて繊細だった私は最後のオチがともかく怖くて怖くて、こんな気持ちの悪いドラマを「いい話だから見るように」とすすめた学校の先生を本気で恨んだものでした。今でも私は基本タイムスリップもののドラマや映画が嫌いですが、その原点はこれと「戦国自衛隊」(これもリメイク前の奴)です。タイムスリップものにはろくなオチがつかんというのをこの二つで学びました。

二十年たっても忘れていなかったラストシーン。今回はどういうアレンジになっているのかと(タイトルが同じだからオチも同じだとは思ったけど)、ラスト30分だけ見ました。同じオチでした。ここからネタバレで書きますが、それまでタイムスリップしたと思いこんでいた街が実はそうではなくて、太平洋戦争では無事だったはずの町にまで空襲があって、それに巻き込まれて瀕死の重傷を負ってしまった主人公が廃墟のなかから這いだして「こんなはずではないのに」と思って空を見上げると、そこには現代の高層ビル群があって、つまりは第二次世界大戦中にタイムスリップしたと思いこんでいたらそれは間違いで、そこは実は現代であって、「終わりに見た街」というのは原爆を落とされて廃墟と化した現代の東京で、隣で死にかけてた男に「今は二千……年だ」と聞かされ「そんなはずない」と驚愕のなかで主人公も家族も町のひともすべて死んでいく、という話。

今見ると「ああ、ありがちなオチだよな」と思う。でも、たぶん人生でいちばん始めにあのオチに出会った82年当時の私にはショックだった。その場で凍り付くほど怖いラストだった。嫌な作品だったなあ、ホント。自分に子供がいたら絶対見せません(笑)。同じ戦争タイムスリップものでは、「WINDS OF GOD」の夢オチもなんだかなと思ったんだけれど、それでもあっちのほうがまだマシだ。スタンスは全然違うから、主張としてどっちがいいか、って話はまた違うんですが。……まあ、二十年経っても忘れられない作品なんだから、そりゃもうインパクトのある優れた作品なんだろうとは思うけど、それでも、インパクトにも限度ってもんがあらーなと思ってる作品です。子供に見せるもんじゃないだろーと今でも思ってるぞ。あのときの担任の先生が山田太一好きだったんだろーな。で、そんな怖がりの子がいるとは思ってなかったんだろうな。子供って大人が思う以上に怖がりなことがあるんですよとあのときの先生にタイムスリップして言ってやりたい(笑)。








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