むかし、よくきいた腕枕、その歌。
本当はこわくてきけなかった。
いつかどこかへ行ってしまう、僕も、貴方も。
消えてく手探りの先の体温。
ひとつ。
いなくならないで、本当はそう想ってるんだよ、きっと、いまでも。
蚊帳の網、風を捲り、見据えた闇の奥。
僕は、いつかひとりになる為に、全てを嫌い、遠くへ逃げた。
幼い手段。
隔離される意志。
冷たく伸びてゆくてのひら。
長く滞った時間に、死んでしまえればよかった。
気付かせてくれた者も、僕を時流に促す。
あの時、貴方の手をすり抜け、今、僕は何と戦い続ければいいのだろう。
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