詩的エッセイ、つづっています。...笑 満ちる

 

 

最近、泣いてばかりいる、私。 - 2007年05月02日(水)



でも、泣いている理由やその結果が、
前とはずいぶん違ってる。

昔の涙は、悔し涙。
そして今の涙は、
等身大の自分を受け入れた涙だ。
自らの成長に必要な、「許し涙」。

それゆえに、そこから道が開け、
一歩先へと足を踏み出す礎になる。

毒やけがれを洗い流すかのように、
役に立たなかったこだわりを手放していく。

わたしが楽になればなるほど、
神様にほめられる。

自分をいじめすぎたら、
神様にきらわれる。


...こんなことを感じた旅から、一昨日、帰京した。


4月28日夜、私は友人とともに京都入りし、
舞鶴にある曹洞宗の桂林寺という寺院を訪れた。

これは、私が今年の1月に仕掛けた宗教者フォーラムに
友情出演してくれたアーティストの歌に感動した僧侶から
私に連絡があり、彼らを自分のお寺に呼びたい、とのこと。

そこで京都府舞鶴市にある彼が住職を務める寺院での
開山忌という大法要の席でライブパフォーマンスが実現。

私は演奏しないけれど、友情招聘とでもいうのかな、
大変素晴らしい待遇でアーティストのふたりとご一緒させていただいた。

そこは、34も末寺を持ち、600年以上の歴史を持つお寺。
初代住職の法要は厳粛で、数十人の僧侶が舞うように立ち居振る舞う。
その後披露された歌は、参加された近隣の方々およそ100名の心を洗った。

ライブの後に、町田宗鳳(そうほう)先生という、
広島大学大学院の教授による講話が。

「今を楽しむ生き方を身につけよう」と題し、
「こころそこにあらず」の生き方ではなく、
今、ここにいられること自体に感謝しながら生きよう、
という明快なメッセージを受け取った。

ご住職と奥様の導きで、町田先生、
ピアノのケントくん、歌の花れんちゃんらと
海上自衛隊の船が並ぶ東舞鶴へ。

さらに、観光名所である、
赤れんが倉庫群〜舞鶴市役所付近へ案内された。

舞鶴は、ジャズの街。

そう、そこでは、ジャズの生演奏が昼間から楽しめる。
喫茶店のウェイトレスの胸に、
「I love(赤いハートの絵)jazz」
と書かれた缶バッチが踊っていた。

なんだかとても気に入ってしまったので、

思わず私は、「これは売っているのですか?」

と尋ねたところ、彼女はお待ちください、とバックヤードへ。

私の元へ戻ってきた彼女は自分の胸からバッチを外し、
私にそっと差し出した。

自分のものをもらってください、とのこと。

その様子を眺めていたご住職は、
「言ってみるものだね〜!」と興味深げ。

一言放つたびに笑いがこだまする、
そんなユニークなご住職。

しかし、礼節があり、私はこの旅において、
彼から感謝してもしきれないほどの愛を受け取った。



その晩はお寺のある舞鶴より移動し、
日本三景のひとつ、天橋立へ。

アーティストらと分かれ、一人で旅館へ。
天橋立が部屋から見える角部屋へ案内された。

ひとり、部屋で過ごす折、
講演の後に町田先生からいただいた彼の新刊をひもといた。

「身軽にいきましょうや」という本。

50代以降の方向けの、スピリチュアルライフ入門書。


この本を読みながら、
私は泣いてしまった。


一番最初に読んだ章には、
「借金というアリ地獄」というもの。

ここには、

お金に困っているのなら、
お金に困るような悪い癖をもっていることに気づきなさい。

という、シンプルながら深いメッセージがそこにあった。


これを読みながら、思考が展開していくのを感じた。

家庭不和に困っているのなら、
家庭不和に困るような悪い癖をもっていることに気づきなさい。

仕事に困っているのなら、
仕事に困るような悪い癖をもっていることに気づきなさい。

周りの人のことでなく、
自分の癖をよく知って、
向き合う勇気で生きていく。


町田先生の講演と本からインスピレーションをいただき、
私はそんなことを学んだ。


私の旅館より徒歩3分ほどの民宿に泊まっていた
アーティストの花れんちゃんと温泉で落ちあい、
露天風呂につかりながら長い話をした。
近頃の気づきやらを共有し、心が震えた。


この旅で、私はやはり音楽が好きだと思った。

話は前後するけれど、
お寺でアーティストたちがリハをする中、
私は手拍子を打って「参加」した。

ピアノのケントくんは、

「(私の)リズムが良いから、演奏しやすいよ。
お客さんもそんなリズムで手をたたいてくれたいいのに。」

と言った。

そんな何気ない一言が、
私が一拍のタイミングの精度に
青春をかけたことを思い起こさせ、
誰にも知られず心の中で歓喜していた。


また今日も、豊かな智慧をいただいたことに感謝します。


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