白濁 mail home bbs | 2004年10月05日(火) 枷 切ない記憶を繋いだ。 お元気ですか? どうしてますか? 僕は知っていた。 もう、彼等に会う事はないのだと。 もう、彼等はこの世界にはいないのだと。 呼び掛けはむなしく 僕の中で木霊する。 秋の空は高く、 眩しい青色が憎らしかった。 高い太陽の熱は届かず 冷たい風が僕の心を揺らす。 「お別れ会」や「卒業式」や「御葬式」をしたかった。 明確ではない曖昧な別れは いまだに僕を束縛する。 まだ何処かにいるのではないのか? また何処かで会えるのではないのか? 僕が度々そうしているように 彼等もまた 僕を思い出し、 探しているのでは ありえぬ再会を彼岸に願う 消滅した存在は戻らず 在りし日の姿で僕を惑わす 会いたいと願え 我らを欲しろ 振り返り続けるのだ 僕はその誘惑に身を委ねる 枷を糧にし 彼等を追い続ける事で 生きていくのだ |