先日読んでいた本に「60才過ぎの老婆」という 描写があって首をひねった。うちの母も60才過ぎだが、 全然老婆というカンジはしない。孫は居ても老人らしくは ないのだ。しかもその作品の老女は「年寄をいたわらんか」 とか「年寄には親切にするもんじゃ」とか言って筋金入りに ありきたりな老婆の雰囲気になっている。 「この作者、若いんかな…」と思って奥付を見たら、案の定 私より年下だった。年下で、数年前に発刊された本だから 更に若い時の作品ということになる。どうりで難解な 俺様ネタと青くさい主張にまみれてると思った。厳密に 言うと、青くさい主張をかます自分に酔いしれているフシが ある。さらに「60才を老婆扱いするなんて、核家族で老人と 暮らしたことがないに違いない」まで仮説を立てたが、 さすがにそこまでは知ったことじゃない。 だいたいこの作者の作品は、常々見苦しいと思っていた。 誰かが「凄い」ことに対して、その中身を具体的に 述べないで周囲からひたすら「凄い」と言わせて読み手に 納得させようするセコい手ばかり使う。たとえば密の美貌に 対して「美人」と周囲に言わせるばかりでその描写を ちっともしないような。さらに「美人」が「凄い」 みたいな押し付け論理を臭わせてくるからもう最悪。 そんなことしたらキャラが薄っぺらくなってしまうから、 もちろんペラいキャラばかりだ。俺様理論を突きつけてきて、 解らない奴は読むな、くらいの姿勢がまた腹立たしい。 誰がお前のナルシった内面なんか見たいかよ。 こんな描写に何度ムカムカしたことか。太平記を読んだ後 読むと、いっそうその稚拙さが腹立たしくなってくる。 …が、私は既にこの作者の本を5冊以上読んでしまった。 どの本もだいたい9割の腹立たしさと1割のモエで 構成されていて、その1割に飛びついてしまうのだ。 今回のモエは
一人の体に二重人格の双子で、少女の体に凶悪な少年の 人格が入っていて、ジャケットの下に何も着ないで 貧乳チラリズムで戦うというシーン。
これならわざわざ女体化させなくても本当に 体・女だからいいよね!(何が) 性同一性障害じゃなく二重人格で男が貧乳チラリズムって 他に例を見ない色気がある。このへんが、発想力豊かだけど キャラを活かしきれてない限界か。
しかしああ、今回も楽しくて腹立たしかった。
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