再三言っているがうちは田舎である。本当に山が近い。 昼間、父が自慢げに「山火事かと思ったら花粉が煙みてぇに 飛ぶのが見えるんだよ」とものすごく楽しそうに言うので、 いつものごとくフカシかと思った。父は、嘘を言うつもりが なくても勘違いで嘘を言うことがよくあるからだ。 が、夕方外でふと山の方を見た私は絶句した。 山間から黄色っぽい煙みたいなものが立ち上っているのだ。 煙じゃないことは、その煙っぽいものが動くのがひどく 遅いので違うということが解る。しかも黄ばんでるし。 あれが花粉かぁ…! 確かに父が興奮して知らせたがるのも解る、なかなかの 絶景だった。まさに現代を象徴しているようだ。なので 私も早速家に入って花粉症に苦しむ母に「凄いよ花粉!」と 言うと、最初はイヤそうにしていた母も重い腰を上げて 重装備で外に出て山を眺め始めたではないか。残念なことに 母が見始めた頃にちょうどさっきの黄煙は消えてしまって いたんだけど、辛抱強く待っていたらまた立ち上ったらしく 見れてまんざらじゃなさそうだった。「あそこに放火しに 行こうかなぁ」とつぶやく母に「まずあそこまでたどり着く のがしんどいから止めときなよ」と止めておいた。私だって 花粉症じゃないが、あんな遠目にも花粉が立ち上るのが 見えるような場所行きたくない。細木先生曰く花粉症になる 人は目上の人を敬わない人らしいから、年上大好きな私は まず大丈夫だろうが、だからってあんな場所はイヤだ。
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