じゃ、ここでショートコントでも読んでください。前、暇だったときに書いたものです。二つあります。
モテぐすり A:いらっしゃいませぇ。 B:(ささやくように)あのー、最近発売された、あのくすりないっすかね。 A:あのくすりと申しますと?ああ、一ヶ月ぐらい前にフサフサ製薬から出たハゲナオールですか?やっぱり、そのくらいの薄さが一番本人としては気になるんですよね。僕は、もう気になるのを通り越してあきらめの境地ですよ。ハゲナオールもやんなくていいやって感じで。あなたも、今の状態だったら無理に、はやさないで、早く一線超えた方が楽になれますよ。私も、今じゃハゲの薬屋さんってことでおこちゃまに人気あったりするんですから。くくっ。 B:おいっ!誰もハゲぐすりがいるとは、いってねえだろ!ばーか。俺がほしいのは、あの、モテぐすりだよ! A:お、すいませーん。うっかり、してました。うっかりモンキー、シーモンキー。(サルの真似をする) B:もちネタは、いいから!早く! A:お客さん、そんなに急かさないでくださいよ。少々お待ちくださいな。 (しばらくして) A:お待たせしました。こちらになります。二種類ありましてですね。まずは、レッド。「もてない君にささぐ、これを飲めばあなたも、ひとなみに。」ってのです。 B:いちいち読み上げるなよ、その商品名! A:(さえぎるように)それから、こちらのブルーの「ふつうにモテてるんだけど、もっとモテた〜い、欲の皮がありあまる君へ。」ですね。どっちにしましょうか? B:それじゃ、レッドで。 A:ああ、やっぱり。 B:やっぱりってなんだよ! A:それじゃ、「もてない君にささぐ、これを飲めばあなたも、ひとなみに。」ですね。これで、どうでしょうかね、もてますかな?(顔をまじまじと見つめる) B:うっせーな、早く売れよ!効くからクスリなんだろ! A:でも、「もてない君にささぐ、これを飲めばあなたも、ひとなみに。」の半分は、やらしさでできてますから。 B:何回、商品名読めば気が済むんだよ。ほら、後ろにもお客さん並んでるんだから! A:ああ、すいません。わたくし、舞い上がっておりました。新商品をお客さんに解説するのってたまんないんです。 B:あっそう。じゃあさ、値段は、いくらなの? A:はいはい。もてない人用は、もててる人用よりちょっとお高くて、値段は9500円になります。 B:(金を出そうとする) A:お客さん、いやいや、発売日はあさってです。これは、サンプル。 B:な、な。 A:また、あさってに、お待ちしておりますので。 B:(相手に聞こえない小さな声で)畜生、お前、訴えるからな。 (そして消え去るように帰る) A:絶対もてますから、心配しないでくださいね〜!
このはしわたるべからず A:ん?このはしわたるべからず??わたっちゃいけないのか。もう、橋は完成してるみたいなのにな。 B:いいよ、いっちゃえいっちゃえ、誰も見てないんだし。 A:おっ、この立て札よく見ろよ。ちいさくここにさ、ほら。 B:ヒント、い・っ・き・ゅ・う。 A:そうだよ、一休だよ。むかし、こういう話読んだことあるぞ。一休が、「このはしわたるべからず」と書いてあった橋を渡るために、真ん中を歩いて、「はしじゃない」と言い張って人々を感心させたっていう。 B:そうか、それじゃ、この橋の真ん中を歩けってことだな。 A:じゃ、真ん中歩こうぜ。 (AB仲良く真ん中を歩く) B:あっ、ほらあそこに餅が落ちてる。 A:ばか、はしにいっちゃいけないんだよ! B:そ、そっか。 (歩く) B:おい、お前、あれお前の自転車じゃないか? A:あっ、そうだよ、おれのおれの。なんであんなとこにあるんだよ。でも、はしに行っちゃだめらしいから、我慢だな。 B:おっ、あれは。 A:なんだなんだ、またなんかあったのか?あーーっ!!あれ、おれの「月刊プレイボーイ三年分スクラップ」だ!!ジェニファァー、キャサリーーン、ブリトニィー!! B:おいおい、いくなって!もしかしたら、だれかおれたちがはしを歩かないようにチェックしてるかもしれないんだから。 A:ちぇっ!あれ、大切なんだよ。オレベストが、わんさかなんだから。 B:あっ、あれは! A:おれの、ベッドと冷蔵庫。あんなの、もってくんなよ! B:おい、こっち見ろ。 A:おれのおふくろじゃん!なんでいるんだよ!! B:あっ! A:おれが小学校3年1組のときのクラスメートだ。しかも、全員。おーい、たなかっち!聞こえるか? B:あっ! A:あーーーーっ!!おれ?やっぱ、おれだ!!!なんだよ、あれ? B:てへっ。ちょっくらクローンで作ってみた。 A:てへって、お前!!なんだよ、そんなのいらねえよ。あれ川に突き落とす! (Bが走り出す) ブーーーー!! A:なっ、なんだ?このブザーは? B:はしに行ったからなったんだ。お前の意志の強さをチェックするための壮大な実験だったのさ。 A:ふ、ふざけんな。 B:おまえ、けっこう意志強いな。87.2ポイントだぜ!!日本人平均が54.3ポイントだから、なかなかのもんだな。 A:(照れて)そうなん?まあな。 B:じゃ、ね。 A:えっ、お前帰るのかよ! B:ぜーんぶ片づけといてね。持ってくるの大変だったんだから。それから、3年1組のクラスメート全員の交通費、よろしくな。 A:はーーっ?お前も片づけろよ!! B:いや、お前意志強いんだから、この片づけぐらいやんないとカッコ悪いぜ!クローンは30年ローンでお前が払うことになってんだから、それに比べたら簡単なもんだろ。 A:30年ローン?な、なん、だと!!それ、いくらだよ!? B:6250億ペソ。ペソが大暴落することを期待して、ペソ払いにしてやったぜ。ま、ペソペソするなよ。じゃあな。 A:ギャグにするなよ、こんなに俺に払わせておいて! B:だから90ポイント以上あれば、10億円もらえたんだよっ!そしたら、クラスメートの交通費だって、クローンだって、ぜんぶカバーできたんだぞ!それどころか、クラスメートと有名ホテルでディナータイムだって取れたんだぜ。お前は、なにやらせても中途半端だな。今日は、つくづくそう感じるよ。ま、がんばれよな、じゃあな。
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