今日のおぱんつ

2005年01月15日(土) わかれ道

自分ではあまりピンとこなかったんだけど、私は中学生の頃岩井小百合さんに似てると言われる事がたまにありました。

ある日教室で、友人がクラスの男の子と話しているのが聞こえてきました。

「ぴっぽってさ、岩井小百合に似てるよね!」
「えー!?似てねーよ!似てねー!似てねー!ギャハハハ!」

否定された事は別にショックじゃなかったけど、軽く凹みました。

普段から仲良くしている子ならまだしも、その男の子と私は会話を交わした事すらほとんどなかったから、「ギャハハハ!」とか笑われて、なんか知らないけど私ってば彼に嫌われてるのかなぁと、そんな気分になったのよ。


月日は流れ、テレビや雑誌で岩井さんの姿を見かける事もめっきり少なくなってきた中3の2学期の半ば頃、家で宿題をやっている時だったか、電話が鳴ったので出てみると聞き慣れない男の子の声が。

「山○ですけど・・・あの、付き合ってもらえませんか?」

その声の主は「似てねーよ!」とのたまったあの男の子でした。
中1だった当時は私と同じくらいの身長で声変わりもしていなかったのに、すっかりオニイサンみたいな声になっていてまるで別の人の様でした。

しばらくしてから私は彼と付き合いはじめました。

小柄な男の子という以前のイメージがなかなか拭えなかったんだけど、向き合って立ってみると彼の顔は私の頭上にありました。
その上彼はそれはそれは優しくて穏やかで誠実でセンスが良くて、おまけに顔だってちょっと童顔だけど田臥君系の二枚目で、私にしてみれば非の打ち所のない男の子だった。

なんだけど、この辺りからすでに私のダメダメな性癖というのは出来上がりつつあったんだな。
いや、性癖とは違うかもしれないけれど、誠実であるとか、尊敬できるとか、そういう要素を相手の中にあまりに沢山感じてしまうと男性として見られなくなっちゃうのよ。
品の悪い言い方をすれば、そういう人の雄の部分を見るのが嫌というか。

そんなわけで、彼とのお付き合いはさほど長くは続きませんでした。
「ジョゼ〜」の恒夫風の言い方をすれば、まぁ要するに私が逃げたわけです。

それから数ヵ月の後、彼がもうじき父親になるという噂を耳にしました。

私と別れてからそんなに経たないうちに他の女の子と付き合い始めたというのは知っていたけれど、これには驚きました。
というか、「ぴっぽがちゃんと付き合ってあげなかったからやけになっちゃたのかもよ」と友人達に結構責められた。

でもみんなが言う様な意味で“ちゃんと”付き合っていたら、その新しい彼女さんじゃなく、私が母親になっていたかもしれないじゃないよ、と思ったけど。


ちなみにまだ別れる前、彼にあの日の事(岩井さんに似てる似てないのアレ)を訊いてみた事があったんだけど、彼は全然憶えていない様子で非常に戸惑っていました。


確かに私の記憶の中にあって、だけどずーっと忘れていたお話。


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