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| 2003年07月22日(火) ■ |
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| 八月の水 |
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岸に立って、紙飛行機を飛ばしあうのにも飽きてしまい、
彼岸ではスカートを払い、
此岸ではポケットに溜まった砂を捨てる。
指を水に浸すのがこちらからは見える。
河は薄い碧りに濁っている。
指はそういう匂いがした。
河には歴史があるみたいだった。
手を振ることも出来る。 声を苅テけることも出来る ともかくも、飛行機を飛ばそうにも紙が無くなってしまった。
彼岸では、何かに切り抜かれたみたいに、
こちらを見つめている
何か名状しがたい気持ちが込み上げてきた。
七月の水は、
思いの外、温かった。
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