民主党の小沢一郎代表が辞意を撤回した。
一度は記者会見まで開いて辞任を表明した公党の党首が2日で撤回するというのは前代未聞。
こういう醜態は、自民党は勿論、かつての社会党でもなかった。
むしろ、「ボク、やめるぅ〜」とスネてダダをこねていたキャプテンが部員たちに説得されるという、まるで中学のクラブ活動にでもありそうな話である。
しかし、これが先の参議院で大勝した第1党の実態である。
政権担当能力どころか、まともな大人の対応とすらも思えないが、それも所詮は国民自らの選んだことであるのだから仕方あるまい。
さてこういう有様で今後の政治はどうなっていくのであろうか。
とりあえず小沢が辞めようが辞めまいが「ねじれ国会」の現実は変わらないわけだが、ただこの事態を受けて、参院選と安倍辞任以来防戦に立たされていた与党が「精神的優位」を回復したことは間違いあるまい。
これまで解散総選挙に追い込まれて困るのは与党だったのだが、今度は与党が解散という「伝家の宝刀」をチラつかせるだけで民主党は勝手に怯えるというわけだ。
つまり民主党が一連の茶番で失った信頼を回復するには、かなりの時間を要する。
当面、国会に期待されることは、たまりにたまっていた法案を粛々と処理するという本来の機能を果たしていくことであろう。