石原慎太郎東京都知事がまたしても障子紙破り、いや横紙破りなテロ容認発言で物議
をかもしている。
その陰で、これが自民党総裁選での亀井静香応援演説の中の一コマだったことはさっ
ぱり忘れられている。
マスコミも含めた反小泉陣営の目論みでは、人気の高い石原知事の力を借りて亀井
ムードを盛り上げる胆だったのだろうが、石原発言に話題をさらわれて、
肝心の亀井の影は薄くなってしまった。
そればかりか、亀井は言わなくてもいい石原発言の擁護までさせられる始末。
さすがはコミカル・カメだけのことはあって、全て裏目、裏目である。
でも、もしかしてこれは、カメ爆死を狙った石原知事の深慮遠謀だったのではないか。
日経によれば、「亀井氏が意向、敗れたら石原新党」だそうである。
よく見ると、どこにも「石原新党」などとは一言も言っていないのだが、ただ、カメが慎太郎に義理以上の
多大な期待をしていることはわかる。
だが、もう石原ブランドも賞味期限切れではないか。
銀行税訴訟は和解するとはいうものの、これから2344億円ものカネを都は銀行側に返還しなければならないのだから、大失政といっていい。
これを放り出して「石原新党」などというのは、「食の祭典」の大赤字で自殺者まで出しながらトンズラした北海道の横路の再来である。
第一、小泉が再選後即衆議院解散に踏み切れば、新党を立ち上げているような余裕はないし、
そもそも慎太郎が亀井や野中と組んで新党ということ自体おかしい。
結局、慎太郎は亀井応援の名目であれ何であれ、ただ機会をとらえて持論を披瀝できればよかっただけで・・・
それに踊らされた哀れなコミカル・カメという図式ではないのか。